離婚・親権問題

  1. 離婚するにはどのような手続が必要ですか?
  2. 相手が離婚に合意しない場合どうすればいいですか?
  3. 裁判で離婚するにはどのような理由が必要ですか?

協議で離婚をするときの注意点、相手が離婚に応じない場合の対応などについてオールワン法律会計事務所の弁護士が分かりやすく解説します。

離婚についての
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離婚手続 
②調停離婚

当事者間の協議で離婚できない場合、家庭裁判所の調停手続を利用することになります。
なお、調停前置主義といって、いきなり裁判離婚を提起することはできず、その前に離婚調停を経ていることが必要となります。

離婚に関する調停手続

夫婦関係調整調停(離婚)

離婚やそれに伴う財産分与,慰謝料,親権者の指定,年金分割の割合などについて話し合う手続です。

夫婦関係調整調停(円満)

夫婦の関係を元の円満な関係に戻すために話し合う手続です。

内縁関係調整調停

内縁関係にある男女関係について解消することなどについて話し合う手続です。

婚姻費用の分担請求調停

夫婦の間で,生活費について話し合う手続です。

財産分与請求調停

離婚に伴う財産分与について話し合う手続(離婚後の場合)です。

年金分割の割合を定める調停

離婚に伴う年金分割の分割割合について話し合う手続(離婚後の場合)です。

慰謝料請求調停

不貞の夫(妻)の相手方に対する慰謝料について話し合う手続です。

離婚後の紛争調整調停

離婚後に生じた紛争について話し合うための手続です。

協議離婚無効確認調停

協議離婚届を勝手に出された場合に,これを回復するための手続です。
なお、夫婦関係調整調停(離婚)の中で財産分与は慰謝料等の問題が全て話し合われることもあります。

家庭裁判所の管轄

夫婦の離婚などを扱う家事調停の管轄(どこの家庭裁判所で調停を行うか)については、
「家事調停事件は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所の管轄に属する」
と規定されています。
(家事事件手続法245条1項)

したがって、別居して実家に帰っている妻が、夫を相手方として離婚調停の申立てを行う場合、夫との間で別途の合意がなければ、夫の住所地を管轄する家庭裁判所に申立を行うことになります。
仕事が休めない、子どもが預けられないといった理由で遠方の改訂裁判所に行けない場合は、後でご紹介するテレビ会議システムの利用を検討することになります。

離婚調停の申立費用

離婚調停(夫婦関係調整調停)の申立手数料は1,200円となります。
その他に郵送用の切手が必要になります。
手数料は、申立書に1,200円分の収入印紙を貼付して納付します。

調停不成立等の通知を受けてから2週間以内に訴えを提起した場合、家事調停の申立時にその訴えが提起されたものとみなされます。
(家事事件手続法272条3項)
この場合、調停申立時の手数料1,200円は、訴え提起の際の手数料に充当されることになります。

具体的には、離婚の訴えを提起する場合の手数料は1万3,000円ですが、調停申立時の手数料1,200円は既に納付されたものとみなされるため、調停不成立等の通知を受けてから2週間以内に訴えを提起した場合の手数料は1万1,800円となります。


婚姻事件は非財産上の請求として訴額は160万円とされています。
訴額160万円の手数料は1万3,000円です。

離婚調停の関係者

離婚調停には次のような機関が関与します。

調停委員会

調停委員会は、1人の裁判官(家事調停官)及び2人以上の家事調停委員をもって組織されます。
調停委員は、最高裁判所から非常勤の公務員として任命されます。
裁判官は、事件ごとに家事調停委員を指定します。
家事調停委員は次の者によって構成されます。

〇弁護士となる資格を有する者(弁護士調停委員)

〇家事の紛争の解決に有益な専門的知識・経験を有する者
(専門家調停委員(不動産鑑定士、土地家屋調査士、公認会計士、税理士等)

〇社会生活の上で豊富な知識・経験を有する者で人格・見識の高い者(一般調停委員)

調停委員は、原則として40歳以上70歳未満の者から任命され、その任期は2年です。

家事調停官

最高裁判所は、弁護士としての職務経験を5年以上有する者の中から家事調停官を任命します。
任期は2年で再任することができます。
家事調停官は、家庭裁判所の指定を受けて週1回、裁判所に来て家事調停を取り扱います。

裁判所書記官

家事事件を担当する書記官は次のような業務を行います。

〇事件に関する記録、その他の書類の作成と保管

〇記録の正本、謄本、各種証明書の交付と送達

〇執行文の付与、執行力のある審判書や調停正本の付与

〇記録の閲覧・謄写に関する事務

〇裁判官の命令を受けて法令や判例の調査、その他必要な事項の調査の補助等

家庭裁判所調査官

裁判所法61条の2第1項には、「各家庭裁判所及び各高等裁判所に家庭裁判所調査官を置く」と規定されています。
家庭裁判所は,夫婦や親族間の争いなどの家庭に関する問題を家事審判や家事調停,人事訴訟などによって解決するほか,非行をした少年について処分を決定します。
いずれも法律的な解決を図るだけでなく,事件の背後にある人間関係や環境を考慮した解決が求められます。

家事事件では,紛争の当事者や親の紛争のさなかに置かれている子どもに面接をして,問題の原因や背景を調査し,必要に応じ社会福祉や医療などの関係機関との連絡や調整などを行いながら当事者や子にとって最もよいと思われる解決方法を検討し,裁判官に報告します。
この報告に基づいて裁判官は事件の適切な解決に向けて審判や調停を進めていきます。

また,悩み事から気持ちが混乱している当事者に対しては,冷静に話合いができるように,カウンセリングなどの方法を活用して心理的な援助をしたり,調停に立ち会って当事者間の話合いがスムーズに進められるようにすることもあります。
ただし、家庭裁判所支部の中には家庭裁判所調査官が配属されていない支部もあります。

家庭裁判所医務室技官

精神科の医師があてられ、必要に応じて調停期日に立ち会い、当事者の心身の状況について診断などを行います。
家庭裁判所の中には家庭裁判所医務室技官が配置されていない支部もあります。

調停申立と別居

調停手続では調停委員が間に入って離婚の成否や、離婚する際の条件(財産分与、慰謝料、親権、養育費、子の面会交流等)が話し合われます。
調停離婚を申立てた段階で、夫婦のいずれかが家を出て別居することが多いようです。
別居にあたっては、何点か注意すべきことがあります。

婚姻費用分担の請求を速やかに行う

離婚の話し合いをしている別居中の夫婦であっても、法律上夫婦であることに変わりはありません。
夫婦である以上、互いに助け合う義務があります。

婚姻費用とは、別居中の夫婦の間で,夫婦や未成熟子の生活費などの婚姻生活を維持するために必要な一切の費用のことです。
婚姻費用の分担について、夫婦間で話し合いがまとまらない場合、話し合いができない場合は、家庭裁判所にこれを定める調停又は審判の申立てをすることができます。

調停手続を利用する場合には,婚姻費用分担調停事件として申立てをします。
審判や調停で婚姻費用を請求する場合、家庭裁判所の実務では、婚姻費用の始期について、別居時点ではなく、請求した時点とするものが多数です。

そこで、婚姻費用を請求する場合は、速やかに義務者に対して請求する旨の通知を出し、協議による合意ができない場合は、速やかに調停を申立てます。

同居の際に相手の資産や収入が分かる資料を収集しておく

婚姻費用や養育費は権利者と義務者の収入を元に金額が決められます。
財産分与は婚姻期間中に夫婦が築いた財産がその対象となります。

したがって、婚姻費用、養育費の金額の決定や財産分与には相手方の収入や資産に関する情報が必要となります。
しかし、中にはこれらの負担を軽減しようと収入や資産に関する情報を開示したがらない人がいます。

自ら情報を開示しない人の収入や資産を調べることは骨の折れる仕事です。
時間も手間もかかります。

そこで同居しているときに相手の収入や資産に関する情報(銀行口座と残高、給与の明細票、源泉徴収票、確定申告書、保険の証券番号、ローンの返済予定表等)を確保しておきます。
離婚を前提に一旦別居を始めると、再び同居することはあまりないので(皆無ではありません)、同居時や別居時に何をしておけばいいのか確認しておく必要があります。

テレビ会議システム

離婚調停の利用を容易にするため、家事事件手続法が改正され、現在では一定の場合に離婚調停でテレビ会議システムが利用できるようになりました。
家庭裁判所が相当と認めるときは,当事者の意見を聴いた上で,テレビ会議システムを利用して,離婚調停の期日における手続を行うことができます。
(家事事件手続法258条1項・54条)

離婚調停でテレビ会議が利用できるか否かは、家庭裁判所が、当事者の具体的な事情や意向を聴取して判断することになります。
利用が認められると、遠方に住んでいる当事者は、近くにあるテレビ会議システムが設置された裁判所に出向いて調停手続に参加することになります。
テレビ会議システムを利用すれば、遠方にいる相手方に離婚調停を申立てることが容易になります。

もっとも、注意点もあります。
離婚(離縁も)についての調停は,テレビ会議システムの方法によって調停を成立させることはできません。
(家事事件手続法268条3項・277条2項)

したがって、調停成立の際には、原則として当事者が家庭裁判所に出頭する必要があります。
それでもすべての期日に当事者の出頭が必要であったころと比べると当事者の利便性は格段に向上しています。

どうしても出頭できないといった事情がある場合は、裁判官が手続きに関与する[調停に代わる審判]によって調停を成立させることもあるようです。

調停の成立と離婚日

離婚調停(夫婦関係調整調停)において、申立人と相手方の間で解決すべき事項について合意できると、調停委員会で合意内容が検討されます。
問題がない場合は、調停委員会を構成する裁判官と2人の調停委員、そして書記官が調停室において合意内容を読み上げ、内容に間違いがないことを当事者双方に確認します。

合意内容の読み上げは当事者双方に同時に行われることが一般的です。
もっとも、DV案件や当事者の一方が相手方との対面を拒むなど、当事者が同席できない場合、別々の調停室で時間をずらして読み上げられることもあります。

調停の成立は、当事者の合意が成立した時ではなく、書記官が合意内容に従って調停調書を作成した時になります。
調停が成立すると、その夫婦は離婚したことになります。

協議離婚の場合は、協議離婚届を夫婦の本籍地又は住所地の市区町村長に提出することによって離婚の効力が生じます。
したがって調停離婚の場合、家庭裁判所において離婚届を作成する必要もなく、印鑑も不要です。

調停離婚成立後、10日以内に調停の申立人(相手方が届出をすると合意された場合は相手方)が、夫婦の本籍地又は届出人の住所地の市区町村長に対して、調停調書の謄本を添えて離婚の届出をすることになります。
上記で述べたとおり、離婚の効力が生じるのは、この届出の日ではなく、調停が成立した日です。

離婚手続には以上のようなものがありますが、どちらに離婚原因があるのか、また、どの離婚原因に当たるのかを、判断するのが難しい場合もあるでしょう。
離婚で悩まれている方に対して、現状で離婚が可能かどうかや、離婚に向けてこれから必要な準備について弁護士が相談をお受けします。
もちろん、離婚したい気持ちや、離婚の理由があるからといって、実際に離婚すべきかどうかは、離婚後の生活のことや、お子さまのこと等……さまざまなことを考えて決断する必要がありますので、具体的な事情をお聞きし、場合によっては離婚しないほうがよいというアドバイスをすることもあります。

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