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メールの私的利用が疑われるスタッフへの対応
スタッフが院内のパソコンを私的なメール等に利用することにより、パソコンがウイルスに汚染されたり、患者の個人情報が流失したりする危険が生じます。
そこで、スタッフがパソコンを私的に使用しているおそれがある場合は、次のような内容を盛り込んだ規定を整備の上でモニタリングを行います。
- モニタリング対象となる機器等の私的利用(私用メール等)に関するルール(私的利用の許容範囲等)
- モニタリングを実施する権限と責任の所在(権限・責任が帰属する職制・部署等)
- モニタリングを実施する目的(収集情報の利用目的)
- モニタリングの具体的実施方法(調査の対象となる媒体等及び調査の手法、事前予告の有無等の調査実施手続き)
(平成23年4月経済産業省 情報セキュリティ関連法令の要求事項集92頁以下)
上記規定整備の他、スタッフには予めモニタリングをすることを周知し、事前に書面による確認書(承諾書)を徴取するなども検討するようにします。
貸与品を返還しない・私物を持ち帰らないスタッフへの対応
スタッフが退職する際、病医院からの貸与品を返還しない、病医院に私物を放置する、といった問題が生じることがあります。
貸与品を返還しない
- 退職が決まった段階で、速やかに貸与品の返還を受けておく
- 退職金支給規定がある場合、貸与品未返還の場合はその一部不支給とすることを就業規則に規定しておく
- 口頭での返還要求に応じない場合、期日までに返還しなければ訴訟を提起する旨の書面(内容証明郵便等)を送付する
私物を持ち帰らない
- 放置した私物については所有権を放棄し、病医院において処分しても異議を申し立てない旨の確認書をあらかじめ徴収しておく
- 上記確認書に従い私物を処分する場合は、書面等で期日までに引き取りに来ない場合は処分する旨を通知しておく
スタッフが病医院に損害を与えた場合の身元引受人への請求
スタッフが病医院に損害を与えた場合の身元引受人への請求については、身元保証法によって身元保証人の責任が制限されることがあります。
身元保証期間
身元保証法によって、期間の定めがあれば5年まで、なければ3年となります(1条、2条)。
保証期間後の自動更新条項は無効で、保証を継続する場合は期間満了の都度、改めて身元保証契約を締結する必要があります。
身元保証人への通知義務
病医院(使用者)がスタッフを不適任・不誠実と考えた場合、スタッフの仕事が大きく変更した場合については、身元保証人に通知する必要があります(3条)。
通知を受けた身元保証人は、将来に向かって身元保証契約を解除できます。
身元保証人への損害賠償請求の制限
①使用者側の過失、②保証に至った経緯、③その他一切の事情を考慮し、裁判所は身元保証人の責任範囲を制限することができるとされています(5条)。
その他の病医院の法律問題は
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