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病医院がスタッフに残業を命じるためには、「事業所の労働者の過半数で組織する労働組合」、もしくは「労働者の過半数を代表する者」と36(さぶろく)協定を書面で締結し、当該書面を労基署に届け出る手続きが必要となります。

36協定とは、残業や休日出勤に関する労働基準法36条が規定する労使協定です。

 

具体的には、

を規定し、有効期間を定める必要があります(労働基準法施行規則第16条)。

 

36協定の締結をせずにスタッフに残業を強制した場合、労働基準法違反として罰金等の罰則が科せられるおそれがあります。

 

管理職への残業代支払の要否

 

事務長や看護師長といった管理職への残業代の支払の要否は、役職名で決まるわけではありません。

「~長」といった役職名が付いていても、管理監督者に該当しなければ残業代の支払は必要となります。

 

「管理監督者」(労働基準法第41条第2号)の要件(昭和63.3.14基発150号)

 

1.経営者と一体的な立場で仕事をしていること

(事業主の経営に関する決定に参画し、労務管理に関する指揮監督権限を認められていること)

具体的には、

 

2.出社時間や勤務時間などについて、厳格な制限を受けていないこと

(労働時間について裁量権を有していること)

具体的には、

 

3.その地位にふさわしい待遇がなされていること

(一般の従業員に比しその地位と権限にふさわしい賃金上の処遇を与えられていること)

具体的には、

以上のような要件を満たす管理監督者以外については、「~長」といた名前が付いていても残業代の支払が必要となります。

 

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