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保険者徴収制度

 

保険医療機関が善良な管理者と同一の注意をもってその支払を受けることに努めたにもかかわらず、なお被保険者が当該一部負担金の全部又は一部を支払わないときは、保険医療機関等の請求に基づき、保険者が税金と同様の滞納処分手続によって一部負担金を徴収することができます(国民健康保険法42条2項)。

 

この保険者徴収制度を利用する要件は次のとおりです。

  1. 徴収の対象となる一部負担金の額が60万円を超えること
  2. 医療機関が内容証明付郵便により支払請求を行つたこと

患者が入院療養を受けている場合は、医療機関は少なくとも次のような対応が必要です。

  1. 被保険者又は被保険者以外の少なくとも1名(家族、身元保証人、代理人等。以下「家族等」という)に対し、療養終了後、少なくとも1月に1回、電話等で支払を催促し、その記録を残していること。
  2. 療養終了後3月以内及び6月経過後に、内容証明の取扱いをする郵便物による督促状を送付し、その記録を残していること。
  3. 療養終了から6月経過後に、少なくとも1回は支払の催促のため被保険者の自宅を訪問し、その記録を残していること。(被保険者の自宅まで通常の移動手段で概ね30分以上かかる場合には、近隣の家族等を訪問するか、被保険者又は家族等と直接面会し、支払の催促を行い、その記録を残していること。)

(昭和56年2月25日 健康保険法等の一部を改正する法律等の施行に係る事務取扱いについて (保険発第10号・庁保険発第2号)

 

医師の応招義務

 

医師法19条1項は、「診療に従事する医師は、診療治療の求があった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない」と規定しています。

この医師法が定める医師の義務を「応招義務」といいます。

したがって、医師は「正当な事由」がない限り、患者から診療治療を求められた場合、この求めに応じる必要があります。

 

患者の一部負担金未払いが「正当な事由」となるのか

 

厚生省医局長通知(昭和24年9月10日医発752号)によれば、「医業報酬が不払であっても直ちにこれを理由として診療を拒むことはできない。」とされています。

したがって、患者が一部負担金を支払わないことをもって診療を拒むことはできないとされています。

しかし上記通知は「直ちに」診療を拒むことはできないと言っているんであり、患者の未払の回数や金額の多寡によっては診療を拒むことも許されるものと考えられます。

 

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