ブログ
相続のセミナーなどでは、参加者から名義預金をしたの昔のことなので、既に時効になっているのではないかといった質問を受けることがあります。
今回は、名義預金と時効の問題についてご紹介します。
贈与税の時効
国税の時効について国税通則法70条1項1号は、更正又は決定については、その更正又は決定に係る国税の法定申告期限から5年を経過した日以後においてはすることができない、と規定しています。
国税通則法24条(更正)
「条税務署長は、納税申告書の提出があつた場合において、その納税申告書に記載された課税標準等又は税額等の計算が国税に関する法律の規定に従つていなかつたとき、その他当該課税標準等又は税額等がその調査したところと異なるときは、その調査により、当該申告書に係る課税標準等又は税額等を更正する。」
国税通則法25条(決定)
「税務署長は、納税申告書を提出する義務があると認められる者が当該申告書を提出しなかつた場合には、その調査により、当該申告書に係る課税標準等及び税額等を決定する。ただし、決定により納付すべき税額及び還付金の額に相当する税額が生じないときは、この限りでない。」
ただし、贈与税については、相続税法36条1項において
「税務署長は、贈与税について、国税通則法第70条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる更正若しくは決定又は賦課決定を当該各号に定める期限又は日から6年を経過する日まで、することができる。」
と規定され、さらに同条4項1号において、
「偽りその他不正の行為によりその全部若しくは一部の税額を免れ、若しくはその全部若しくは一部の税額の還付を受けた贈与税」については、贈与税の申告期限から7年、贈与税に係る更正決定を行うことができるとされています。
相続税法28条1項によれば、贈与税の申告書の提出期限は、贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までとされているため、贈与を受けた翌年の3月15日から6年又は7年(偽りその他の不正の行為があった場合)が経過すると、贈与税は時効となります。
名義預金の時効
贈与税が時効となるのは、その前提として贈与者と受贈者の間に贈与契約が成立しいていることが前提となります。
いわゆる名義預金(贈与者が、受贈者名義の口座で自らが管理を継続する預金)については、税務署から贈与契約が成立していないと判断されることが大半です。
したがって名義預金については、そもそも贈与契約が成立していないため、贈与税の時効とは関係がありません。
(何時までたっても贈与者の預金のままです)
その他の相続に関する解説は
お問い合わせ・ご相談予約