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試用期間中の賃金
試用期間中の賃金を本採用後より低くすることができるのかという問題です。
常時10人以上の労働者を使用する雇用主は、就業規則を作成し、所轄の労働基準監督署に届出をしなければなりません(労働基準法89条)。
また、厚生労働省の指針では、「従業員が10人未満であっても就業規則を作成することが望まれる」とされています。
そこで、就業規則が作成されている病医院では、スタッフの労働条件は就業規則に拠ることになります。
試用期間中の賃金についても、就業規則の規定を下回らない範囲で労働条件を低く設定することができます。
もっとも、トラブル防止のために、求人票等には、試用期間中の労働条件が、本採用後よりも低くなることを明示しておく必要があります。
試用期間の延長
スタッフを採用する際に設けられることが多いのが試用期間です。
試用期間で採用予定のスタッフの仕事への適性や職場への順応の可否を判断することになります。
試用期間は1~3か月程度設けられることがありますが、試用期間が終わりに近づいてもスタッフの適性等が判断できないことがあります。
そうした場合、試用期間の延長ができるのかといった問題が生じますが、就業規則の規定がある場合にのみ延長できることになります。
具体的には、就業規則に、
1. 試用期間を延長することができる旨
2. 延長する場合の理由
3. 延長する期間の上限
等の規定があれば試用期間を延長することができると考えられます。
他方、就業規則に規定がない場合は、スタッフと個別に合意を結んでも延長はできないと考えらます。
労働契約法12条
「就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については、無効とする。」
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