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事前の対策

モンスターペイシェントについては、医療機関で予め次のような安全確保体制に取り組む必要があります。

 

①安全管理に対する病院の方針のあり方を明確化し、病院全体で取り組むべき課題として位置付ける

②安全管理体制整備に係る経費について検討する

 


予防:暴力事件、乳幼児連れ去り事件発生のリスクを低減する

 

①安全管理に関する職員の意識を高める

②出入・動線を工夫する

③防犯設備(防犯カメラ・電子ロック等)・システムの拡充を可能な範囲で行う

④警備員の配置の充実と病職員との連携の促進を図る

⑤暴力等を起こす患者・家族への対応を検討する

⑥乳幼児の両親の意識醸成を行う(乳幼児連れ去り防止対策として)

⑦その他(環境改善・人員配置等)

 


安全管理対策マニュアルの整備と職員教育の実施

 

①安全管理対策マニュアルの整備と定期的な改訂を行う

②職員教育の充実を図る

(平成18年9月25日医政総発第0925001号 「医療機関における安全管理体制について(院内で発生する乳幼児の連れ去りや盗難等の被害及び職員への暴力被害への取り組みに関して)」について)

 

事後の対応

事後の対応については次のような対応が求められます。

 

事件発生時及び事後の対応

 

①暴力事件等が発生した際には直ちに関連機関に連絡する

②乳幼児ができるだけ病院外に連れ出されないよう迅速な対応をとる

③報道機関への対応窓口・方法を決める

④病院の機能回復を図るとともに被害者、職員のケアを行う

⑤再発防止策を検討する

(上記 平成18年9月25日医政総発第0925001号)

 


刑事告訴・被害届の提出

 

モンスターペイシェントによる不当な要求が「生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ」た場合は強要罪(刑法223条)に該当します。

暴言や暴力については、暴行罪(刑法208条)、傷害罪(同204条)に該当する場合があります。

 

さらにセクハラについては、その態様によって強制わいせつ罪(刑法176条)、公然わいせつ罪(同174条)に該当する場合があります。

モンスターペイシェントからこうした被害を受けた場合は、警察に被害届を提出することや、告訴(刑事訴訟法241条1項)をすることも検討すべきです。

 

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