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主張責任と立証責任

 

民事訴訟では、判決の基礎となる事実と証拠の収集は、当事者の責任かつ権能とされています(弁論主義)。

したがって、法律効果の発生に必要な事実(要件事実といいます)は、当事者が主張したものに限られ、主張がなければ、たとえその事実が証拠によって認められても、裁判所はその事実を認定することはできません。

 

このように、ある法律効果の発生要件に該当する事実が弁論に現れないため、裁判所がその要件事実の存在を認定できないことにより、法律効果の発生が認められないという一方当事者の不利益を主張責任といいます。

次に、権利の発生等の法律効果の発生が認められるには、要件事実の存在が必要ですが、訴訟でその存在が争われると、証拠によって立証する必要があります。

 

しかし、当事者が提出できる証拠や裁判所の能力にも限界があるため、要件事実が存在するのか真偽不明となることがあります。

要件事実の存否が真偽不明になったことで法律効果の発生が認められないという不利益のことを立証責任といいいます。

 

課税処分取消訴訟における主張立証責任

 

贈与の時期が争われた訴訟において裁判所は、

「本件のような課税処分取消訴訟においては、その訴訟物は課税処分の取消原因としての違法性一般(適法性の欠缺一般)、すなわち、処分の主体、内容、手続、方法等の実体上及び手続上のすべての面における違法であると解される。」

「したがって、原告(注:納税者のこと)は、課税処分を主体、名宛人、主文等によって特定し、それが「違法」である旨主張すれば、これによって訴訟物は特定され、請求原因に係る主張としては足り、これに対し、被告(注:国のこと)は、租税債権の発生原因事実として、課税処分が実体上及び手続上の適法要件を具備していることを抗弁として主張立証しなければならない。」

と判示しまいした。
(京都地判平成27年10月30日税資265号順号12750)

 

すなわち税務訴訟では、納税者が課税処分を主体、名宛人、主文等によって特定し、それが違法であると主張します。

こうして訴訟物が特定されると、国が当該訴訟物に係る租税債権の発生原因事実として、課税処分が実体上及び手続上の適法要件を具備していることを抗弁として主張、立証しなければなりません。

 

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