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相続税対策といわれるもの将来的な効果は不確実です。

なぜなら、現在有効とされる相続税対策は現在の税制を前提としているため、税制改正が行われた後にその効果が維持されるのかについては予測ができないためです。

 

例えば、従来、国外財産への相続税課税を回避するスキームとして親子が海外に5年以上居住するといったことが行われていました。

しかし平成29年4月1日以降は、被相続人及び日本国籍を有する相続人が、国外財産への相続税課税を回避するには、両者が国内に10年超住所がない場合に限られることになりました。

 

また、小規模宅地のいわゆる「家なき子」の要件については、従来、相続開始前3年以内に自己または自己の配偶者の持家に居住していないこと、とされていました。

このため、持家を自分の子や同族法人に譲渡・贈与するなどして「家なき子」の要件を充足するような対策が広く行われてきました。

しかし平成30年度の税制改正により、「家なき子」の対象から、自己または自己の配偶者に加え、3親等内の親族、関係同族会社及び一般社団法人が所有する家屋に居住していた者が除外されました。

 

生前贈与(暦年課税)についても、2022(令和4)年12月16日、「令和5年(2023年)度の税制改正大綱」が公表され、贈与した財産を相続財産に加算する対象期間が、相続発生の3年以内から、相続発生の7年以内に改正されました。

 

このように相続税対策といわれるものは不確実です。

したがって相続税対策を行う場合も、一つの対策に絞り込むことはリスクが高いため、複数の対策をバランスよく行う必要があります。

 

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