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寄与分の認定

 

実務で寄与分が問題とことが多いのは、相続人の中に被相続人の療養看護をした者がいる場合の寄与分の認定です。

寄与分は単に被相続人の療養看護を手伝うと認めらるものではなく、療養看護することによって被相続人の財産が維持、増加するなど、「特別の寄与」があった場合に認められます。

さらには、「直系血族及び同居の親族は、互いにたすけ合わなければならない。」とされており(民法729条)、特別な寄与が認められるためには、一般的な扶養義務を超えた貢献がある場合に限られます。

 

寄与分が認められるか否かは個々の事情で異なりますが、一つの基準としては、

〇被相続人に療養看護の必要があったこと(要介護2以上が目安)

〇特別の後見があったこと

〇無償性※1

〇継続性(原則1年以上)

〇専従性※2

〇被相続人の財産の維持・増改と因果関係があったこと

などが参考にされています。

※1

交通費や光熱費を受取っていた場合も、その金額が介護報酬に比べて非常に低い金額であれば無償性は否定されないと考えられています。

※2

同居の相続人がフルタイムで働き、その配偶者もパートタイムで働くなどして、被相続人が日中1人といったケースでは専従性が否定されています。

 

他方、同居相続人が介護の合間にパート等で働くケースでは、専従性が認められる可能性があります。

最高裁判所の司法統計によると、寄与分を認めた審判例は申立件数の1割以下となっています。

 

その他の相続に関する解説は

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