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試用期間の延長
スタッフを採用する際に設けられることが多いのが試用期間です。
試用期間で採用予定のスタッフの仕事への適性や職場への順応の可否を判断することになります。
試用期間は1~3か月程度設けられることがありますが、試用期間が終わりに近づいてもスタッフの適性等が判断できないことがあります。
そうした場合、試用期間の延長ができるのかといった問題が生じますが、就業規則の規定がある場合にのみ延長できることになります。
具体的には、就業規則に
1
試用期間を延長することができる旨
2
延長する場合の理由
3
延長する期間の上限
等の規定があれば試用期間を延長することができると考えられます。
他方、就業規則に規定がない場合は、スタッフと個別に合意を結んでも延長はできないと考えらます。
労働契約法12条
「就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については、無効とする。」
試用期間であることを理由とする本採用の拒否
試用期間であることだけを理由に採用予定のスタッフの本採用を拒否することができるのかについては、試用期間であることだけを理由に無条件に本採用を拒否することはできません。
本採用を拒否するためには合理的な理由が必要と言われています。
試用期間中の試用契約とは、期間中の勤務状況等により適性を判断し、適性がないとされる場合に本採用を拒否できるという解約権が留保されている労働契約です。
この解約権の行使には、「客観的に合理的な理由が存在し社会通念上相当」と認められる必要があるとされています。
(最大判昭和48年12月12日 三菱樹脂事件)
この解約権の行使については、内定の取消より厳格な一方、正社員の解雇よりも緩やかな基準で判断されます。
スタッフに仕事上のミスが多いことを理由に本採用を拒否する場合は、ミスの内容及びミスの頻度、指導・注意後の改善の程度などから解約権行使の是非が判断されます。
後々トラブルにならないためには、スタッフのミスの内容や、スタッフに対してどのような指導を行ったのかを記録として残しておく必要があります。
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