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所有権の登記名義人が住所等を変更してもその旨の登記がされない原因

 

① 住所変更登記等の申請は任意とされており、かつ、変更をしなくても大きな不利益がない

② 転居等の度にその所有する不動産についてそれぞれ変更登記をするのは負担である

 

住所変更登記等の申請の義務化

 

所有権の登記名義人に対し、住所等の変更日から2年以内にその変更登記の申請をすることが義務付けられます。

「正当な理由」がないのに申請を怠った場合には、5万円以下の過料に処されることになります。

 

他の公的機関との情報連携・職権による住所等の変更登記

 

(自然人の場合)

法務局は、所有権の登記名義人から、あらかじめ、その氏名・住所のほか、生年月日等の「検索用情報」の提供を受けておきます。

検索用情報等を検索キーとして、法務局側で定期的に住基ネットに照会をして、所有権の登記名義人の氏名・住所等の異動情報を取得することにより、住所等の変更の有無を確認します。

住所等の変更があったときは、法務局側から所有権の登記名義人に対し、住所等の変更登記をすることについて確認を行い、その了解(「申出」と扱う)を得たときに、登記官が職権的に変更の登記を行います。

 

自然人の場合は、本人からの「申出」がある場合に限定されます。

 

(法人の場合)

法務省内のシステム間連携により、法人の住所等に変更が生じたときは、商業・法人登記のシステムから不動産登記のシステムにその変更情報を通知することにより、住所等の変更があったことを把握します。

( 改正法では、所有権の登記名義人が法人であるときは、その会社法人等番号を登記事項とすることとされていて、この情報連携においても会社法人等番号の利用を想定しています)

取得した情報に基づき、登記官が職権的に変更の登記をすることになります。

 

参照:法務省民事局 令和3年12月 「令和3年民法・不動産登記法改正、相続土地国庫帰属法のポイント」

 

 

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