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家族への給与の支払い

 

開業医などの個人事業主の場合、所得に応じて所得税が課税されます。

事業を手伝っている家族に給与を支払う場合、給与を必要経費にできるのであれば、開業医の所得が圧縮でき、結果として所得税の負担が軽減されます。

他方、給与を受け取る家族も開業医より所得税の負担が低くなります。

 

したがって、これを無条件に認めると税金逃れの温床となるため、原則として家族に支払う給与は必要経費に算入することはできません。

(家族に給与を支払うことができないのではなく、支払った給与を必要経費にできないということです)。

 

事業専従者控除

 

しかしながら実際には、開業医の配偶者が医療事務などを手伝っている事例は少なくありません。

こうした場合、事業を手伝ってくれる家族を事業専従者とすることで、その家族に支払う給与を必要経費に算入することができます。

 

必要系にできる事業専従者の給与は、白色申告と青色申告で異なります。

白色申告の場合、事業専従者控除は、配偶者で86万円、その他の家族で50万円が限度となります。

他方、青色申告の場合、事業専従者控除に制限がないため、妥当な金額であれば、給与全額を必要経費にすることができます。

 

青色事業専従者の給与として認められる要件

 

青色事業専従者の要件は次のとおりです。

 

①青色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること

②その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること

③その年を通じて6月を超える期間(一定の場合は事業に従事することができる期間の2分の1を超える期間)その青色申告者の営む事業に専ら従事していること

 

なお、医療法人の場合は青色専従者給与というものはありません。

配偶者を始めとする家族に給与を支払うには、①家族が理事等に就任して役員報酬として支払う、②従業員として働き給与として支払う、方法があります。

 

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