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受取人が先に死亡していた場合の保険金の取扱い

 

受取人が契約者・被保険者より前に死亡していることがあります。

受取人が死亡した場合、速やかに受取人を変更すればよいのですが、契約者が受取人変更を失念しているとこうした事態が生じます。

この場合、その保険金の受取人は、死亡した受取人の相続人となります。

 

問題は受取人の相続人が複数いる場合の保険金の受取割合です。

最高裁は、受取人の相続人の受取割合について、民法427条の規定により、原則として相続分ではなく、各人平等の割合で受取ることになると判示しています(最判平成5年9月7日)。

 

したがって死亡した受取人に妻と子2人がいる場合、妻2分の1、子各4分の1ではなく、各人が3分の1の割合で保険金を受け取ることになります。

一方、契約者・被保険者が受取人を単に「相続人」としていた場合は、保険金の受取割合は法定相続分に従うことになります。

 

死亡保険金を受取人以外の者が受取った場合

 

保険金受取人の実質判定について、相続税法基本通達3-12は、

「保険契約上の保険金受取人以外の者が現実に保険金を取得している場合において、保険金受取人の変更の手続がなされていなかったことにつきやむを得ない事情が認められる場合など、現実に保険金を取得した者がその保険金を取得することについて相当な理由があると認められるときは、3-11(「保険金受取人」の意義)にかかわらず、その者を法第3条第1項第1号に規定する保険金受取人とするものとする。」

と規定しています。

 

したがって、保険金受取人の変更がなされていないことにやむを得ない事情がある場合や、契約者の保険金受取人変更の書面が残されている場合は、受取人以外の者が死亡保険金を受け取った場合も、その者が保険金受取人として取り扱われることになります。

 

具体的な事例としては、

独身時代に締結した生命保険契約で両親を保険金受取人として指定したが、結婚後も保険金受取人の変更をしないまま死亡した場合において、その者の配偶者や子が受取る場合、

保険金受取人としていた配偶者と離婚後に再婚した場合において、保険金受取人を変更しないまま損の者が死亡した場合において、再婚相手である配偶者が死亡保険金を受け取る場合、

等が考えられます。

 

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