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借地権の認定課税
医師個人が所有する土地の上に医療法人が建物を建てた場合、借地権が発生します。
医師が医療法人から権利金の支払を受ければ問題はありませんが、場所によっては借地権は底地の路線価のの80~90%と高額になるため、医療法人の財務を圧迫します。
他方で、権利金の支払がない場合、医療法人は借地権分の支払を免れた分が利益とみなされ、その部分に課税されることになります(借地権の認定課税)。
無償返還の届出書の提出
借地権の認定課税を回避するためには、税務署に対して借地の無償返還の届出書を提出します。
具体的には、賃貸借契約終了時に医療法人が無償で医師に土地を返還することを内容とする書面です。
無償返還の届出書を提出すると、医療法人には通常の賃借人に認められる権利が認められず、医師が立ち退きを要求した場合、立退料を請求できずに立ち退くことになります。
無償返還の届出書提出のメリット
無償返還の届出書を提出するメリットは次の2つです。
1 医療法人の借地権に係る認定課税を回避できる。
2 医師個人の相続時に土地の評価額を20%減額することができる。
なお、医療法人に十分な内部留保があり、医師個人に医療法人の利益を移したい場合は、医療法人から医師個人に相当の地代を支払うこともできます。
相当の地代とは、土地を更地とした場合の相続税評価額の3年平均の6%です。
地代を医師個人が受取ると所得税が課税されることになります。
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