ブログ

生命保険金と課税関係

 

契約者・被保険者が被相続人、受取人が相続人となっている生命保険契約において、保険事故開始後に受取人に支払われる死亡保険金は、みなし相続財産として相続税の課税対象となります。

なお、この場合、一部の死亡保険金は非課税とされています(相続税法12条 500万円×法定相続人の人数)。

 

この場合、受取人として指定されている以外の者が死亡保険金を受け取ると、本来の受取人からの贈与として、実際に死亡保険金を受け取った者にに対して贈与税が課税されます。

ただし、一定の事情がある場合には、本来の受取人以外の者が死亡保険金を受け取った場合も、その者を相続税法に規定する保険金受取人として取り扱われることがあります。

 

保険金受取人の実質判定

 

相続税法基本通達3-12は、

「保険契約上の保険金受取人以外の者が現実に保険金を取得している場合において、保険金受取人の変更の手続がなされていなかったことにつきやむを得ない事情が認められる場合など、現実に保険金を取得した者がその保険金を取得することについて相当な理由があると認められるときは、3-11(「保険金受取人」の意義)にかかわらず、その者を法第3条第1項第1号に規定する保険金受取人とするものとする。」

と規定しています。

 

したがって、

保険金受取人の変更がなされていないことにやむを得ない事情がある場合や、契約者の保険金受取人変更の書面が残されている場合は、受取人以外の者が死亡保険金を受け取った場合も、その者が保険金受取人として取り扱われることになります。

 

具体的な事例としては、

独身時代に締結した生命保険契約で両親を保険金受取人として指定したが、結婚後も保険金受取人の変更をしないまま死亡した場合において、その者の配偶者や子が受取る場合、

保険金受取人としていた配偶者と離婚後に再婚した場合において、保険金受取人を変更しないまま損の者が死亡した場合において、再婚相手である配偶者が死亡保険金を受け取る場合、

等が考えられます。

 

その他の相続に関する解説は

👉相続・遺言・遺産分割

オールワンへの
お問い合わせ・ご相談予約