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秘密証書遺言
秘密証書遺言に関する民法970条によれば、その作成方法は次のとおりです。
- 遺言者が、その証書に署名し、印を押すこと。
- 遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印章をもってこれに封印すること。
- 遺言者が、公証人1人及び証人2人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること。
- 公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印を押すこと。
秘密証書遺言の活用
民法には、7つの種類の遺言が規定されています。
しかし、実際に遺言を作成する方のほとんどが、自筆証書遺言か、公正証書遺言いずれかの方式を選択しています。
このうち、遺言作成者自ら遺言を作成する自筆証書遺言は費用がかかりませんが(紙とペン、そして印鑑があれば作れます)、相続開始後に自筆証書遺言の形式や内容を巡ってトラブルが発生することがあります。
他方、準公務員である公証人に作成してもらう公正証書遺言は、間違いがない半面、費用がかかります。
公正証書遺言作成時に公証人に支払う手数料は、遺言の目的となる財産の価額によって算定されるため多額の資産を有する資産家の場合、その手数料がけっこうな金額に上ることがあります。
(これまでに公正証書遺言作成をお手伝いした資産家の中には、公証人に対して100万円近い手数料を支払った例がありました。)
さらには、一旦遺言を作成しても、その後に資産が増加したり、その内容が変わったりすると、改めて遺言を作成する必要が生じたりします。
その都度、遺言を作成し直すと費用の負担が大きくなります。
そこで、資産の増加や変更が予想される資産家の場合は、とりあえず秘密証書の形式で遺言を作成することをおすすめします。
秘密証書遺言の作成費用(公証人に支払う手数料)は、その目的となる財産の価額にかかわらず一律1万1,000円のため、公正証書遺言と比較して費用を抑えることができます。
秘密証書遺言の作成方法について不明な点があれば、オールワン法律会計事務所までお問い合わせください。
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