ブログ

破産手続と自由財産

 

破産手続とは、破産者の全ての財産や、破産手続開始決定前に生じた原因によって発生する請求権を破産財団に帰属させ、破産管財人が適宜処分・現金化して破産債権者に分配する手続です。

(破産法34条1項、2項)

他方で、破産手続には、破産者の経済的再生の実現という目的も認められています。

(破産法1条)

 

そこで破産法では、破産者の経済的再生に必要な一定の財産については、破産管財人によっても換価処分できないものとして、破産者の自由処分を認めています。

この破産者の自由処分が認められる財産を自由財産といいます。

(破産法34条3項)

 

自由財産の範囲

 

金銭(現金)

 

現金は99万円が自由財産とされています。

(破産法34条3項、民事執行法131条3号、民事執行法施行令1条)

 

金銭以外の差押禁止財産

 

  1. 債務者等の生活に欠くことができない衣服、寝具、家具、台所用具、畳及び建具
  2. 債務者等の1月間の生活に必要な食料及び燃料標準的な世帯の2月間の必要生計費を勘案して政令で定める額の金銭
  3. 主として自己の労力により農業を営む者の農業に欠くことができない器具、肥料、労役の用に供する家畜及びその飼料並びに次の収穫まで農業を続行するために欠くことができない種子その他これに類する農産物
  4. 主として自己の労力により漁業を営む者の水産物の採捕又は養殖に欠くことができない漁網その他の漁具、えさ及び稚魚その他これに類する水産物
  5. 技術者、職人、労務者その他の主として自己の知的又は肉体的な労働により職業又は営業に従事する者(前2号に規定する者を除く。)のその業務に欠くことができない器具その他の物(商品を除く。)
  6. 実印その他の印で職業又は生活に欠くことができないもの
  7. 仏像、位牌はいその他礼拝又は祭祀しに直接供するため欠くことができない物
  8. 債務者に必要な系譜、日記、商業帳簿及びこれらに類する書類
  9. 債務者又はその親族が受けた勲章その他の名誉を表章する物
  10. 債務者等の学校その他の教育施設における学習に必要な書類及び器具
  11. 発明又は著作に係る物で、まだ公表していないもの
  12. 債務者等に必要な義手、義足その他の身体の補足に供する物
  13. 建物その他の工作物について、災害の防止又は保安のため法令の規定により設備しなければならない消防用の機械又は器具、避難器具その他の備品

なお上記2「標準的な世帯の2月間の必要生計費を勘案して政令で定める額の金銭」とは政令で66万円とされています。

 

民事執行法上の差押禁止債権

 

給料債権

給料から法定控除額を控除した残額の4分の3相当部分。

但し、給与から法定控除額を控除した残額が44万円を超える場合は33万円。

 

退職金債権

4分の3相当部分。
など

 

その他の債務整理の解説は

👉債務整理

オールワンへの
お問い合わせ・ご相談予約