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小口ヤミ金とは

 

小口ヤミ金のターゲットは、破産経験者や債務整理中の債務者など、いわゆるブラックリストに登録され通常の貸金業者から融資が受けられなくなった債務者です。

自己破産の場合、破産手続開始決定時と免責決定時の2回、破産者の情報が官報に公告されます。

小口ヤミ金はこうしたところから破産者の情報を入手し、ダイレクトメールなどで勧誘を行います。

 

貸付は借主の本人確認ができる免許証等のコピーをとるなど簡単な手続で実行されます。

業者によっては借主の家族の仕事を聞いたり、自宅の地図を書かせたりします。

 

小口ヤミ金は「ヤミ金」といっても登録貸金事業者であることが多く、貸付は数万円から週十万円程度、金利は1週間から10日で貸金の1割の金利を取る「といち」から5割の金利を取る「とご」など、出資法や貸金業法違反の営業を行っています。

「とご」で小口ヤミ金からお金を借りると、借主に渡されるのは利息を天引きした5万円だけです。

これを10日後に15万円返さないとだめなので実質的な年利はなんと3,000%を超えています。

 

借主が約束した日に元金と利息全額を返済できない場合、元金の返済を先延ばしにして(「ジャンプ」)利息だけを支払わせ長期にわたり暴利を得る業者もいます。

借主が利息の返済も滞るようになると借主の自宅などを訪れ、苛烈な取り立てを行います。

 

090金融とは

 

債務者から取り上げた携帯電話や架空名義で契約した携帯電話(いわゆる「とばし」)を利用して営業活動を行うのが090金融です。

小口ヤミ金と同様に数万円から数十万円を「といち」「とさん」「とご」といった暴利で貸し付けます。

貸付は小口ヤミ金同様、免許証等で借主の本人確認をした後、振り込みや手渡しで行われます。

なかには借主が遊んでいるパチンコ屋までお金を届けてくれる場合もあります。

利息の支払いが滞ると苛烈な取り立てが始まるのは小口ヤミ金と同様です。

 

小口ヤミ金・090金融への返済

 

借主がヤミ金業者の上部団体に対して損害賠償請求を求めた事件で最高裁は、貸付が公序良俗に反する違法なものである場合、貸主から借主への金員の交付は不法原因給付にあたり、借主は利息だけでなく元本についても返済する必要がないと判示しました。

(正確にはヤミ金業者の上部団体が請求された損害賠償から交付した金員(元本+利息)を損益相殺として控除することは許されないと判示しました)

(最判2008年(平成20年)6月10日民集62巻6号1488頁)

 

したがって、小口ヤミ金や090金融へは利息のみならず元本を返済する必要もありません。

 

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