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相続税の税務調査

 

相続税の税務調査は、相続税申告書の提出後、2年程度で実施されるのがほとんどであると言われています。

なぜ2年もかかるかといえば、税務署では相続税申告書が提出されると、内容の検算のほか、KSK(国税総合管理)システム等を活用して被相続人に関する資料を収集し、調査対象を抽出するためです。

 

こうした準備をした上で相続税の調査対象を選定しているため、実地調査を受けた納税義務者(相続人等)のうち約80%で申告漏れが指摘されています。

 

実地調査における調査官の質問の意図

 

調査官による実地調査は、大きく分けて①聴取調査、②現況調査、③現地調査があります。

このうち、②現況調査とは、実地調査の際に被相続人の預金通帳の保管場所や金庫等の現況を確かめる調査です。

③現地調査とは、相続財産の不動産について利用状況を実際に現地で確認する調査です。

 

そして、①聴取調査とは、調査官が直接相続人(納税義務者)から被相続人の生前の生活実態等を聞き取る調査です。

この聴取調査において調査官の発する典型的な質問と、その意図は次のとおりです。

 

被相続人の職業・職歴に関する質問

被相続人の職業から推定できる所得と、その所得に見合った申告がなされているかの確認です。

 

被相続人の趣味に関する質問

趣味に関する財産(ゴルフ会員権や書画骨董など)が申告されているかの確認です。

 

被相続人が過去に不動産を売却したことの有無に関する質問

売却代金に関する譲渡所得税の申告の有無や、相続開始時の売却代金の現状の確認です。

 

被相続人の転居の有無に関する質問

過去の住所地周辺での所有不動産の有無、金融機関の口座の有無の確認です。

 

被相続人の家族の状況に関する質問

名義預金の有無及びその帰属の確認です。

 

配偶者の預貯金に関する質問

専業主婦の配偶者が多額の預貯金を有する場合は名義預金の可能性が高いため出捐者等の確認です。

 

相続開始前後の出金の有無と金額に関する質問

医療費や葬儀費用に充てるため相続開始前後に相続人が被相続人の預貯金を引出すことがあるため、その残額についての申告状況の確認です。

 

毎月の家計費に関する質問

被相続人の口座からの出金と比べて毎月の家計費が相当程度低い場合、その差額部分が他の家族に流れていることがないかの確認です。

 

以上、代表的な調査官の質問とその意図のご紹介でした。

 

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