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生命保険の非課税枠

 

契約者・被保険者が被相続人で、受取人が相続人という生命保険契約において、被相続人の相続時に相続人が受取る生命保険金(死亡保険金)は、みなし相続財産として相続税の課税対象となります。

 

もっとも、この生命保険金に係る相続税の計算においては非課税枠があり、

500万円×法定相続人の数

で求めた金額を受取った保険金額から控除することができます。

(相続税法12条1項5号)

 

誰を保険金受取人にすべきか

 

夫が契約者・被保険者となっている生命保険契約では、妻が保険金の受取人として指定されていることが少なくありません。

 

夫の亡くなった後の妻の生活保障という観点からは、妻を受取人にすることに合理性があります。

しかし、生命保険金を残さなくても妻の生活が保障されるのであれば、相続税対策の観点からいうと、妻以外の相続人、例えば子を受取人とすべきです。

 

なぜなら、被相続人の配偶者には相続税額の軽減が認められており、「受取る相続財産が1億6,000万円」又は「配偶者の法定相続分」いずれか多い額までは相続税が課税されません。

他方、子にはこうした相続税額の軽減措置は認められていません。

 

したがって、妻が受取る生命保険金とその他の財産の合計金額が配偶者の相続税額の軽減の範囲に収まるのであれば、保険金の非課税枠が無駄になります。

 

そこで生命保険金の受取人は、相続税の軽減措置のない子や孫などにして、非課税枠を使い切るようにします。

(孫の場合は相続税の2割加算の対象となるので注意が必要です)

 

非課税枠を2度使うために

 

夫や妻にお金の余裕があるのであれば、夫婦で自分を契約者・被保険者、受取人を子などにした生命保険契約を締結しておきます。

そうすると夫婦それぞれの相続時に、保険金を受け取る子などが生命保険金の非課税枠を使うことができます。

 

生命保険は不動産に次ぐ高い買い物といわれていますが、掛け方を少し工夫すると簡単に相続税対策に活かせることができます。

 

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