ブログ

相続税法上の非課税

 

相続税法12条

次に掲げる財産の価額は、相続税の課税価格に算入しない。

1項3号

宗教、慈善、学術その他公益を目的とする事業を行う者で政令で定めるものが相続又は遺贈により取得した財産で当該公益を目的とする事業の用に供することが確実なもの

 

具体的には、以下の事業を行う個人(人格のない社団又は財団を含む)が相続又は遺贈により取得する財産には相続税が課税されません。

 

社会福祉事業、更生保護事業、家庭的保育事業、小規模保育事業、事業所内保育事業、学校又はこども園を設置し運営する事業、その他の宗教・慈善・学術その他公益を目的とする事業

(相続税法施行令2条)

 

租税特別措置法の非課税

 

租税特別措置法70条1項(抜粋)

相続又は遺贈により財産を取得した者が、国若しくは地方公共団体又は公益社団法人若しくは公益財団法人その他の公益を目的とする事業を行う法人のうち、教育若しくは科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与するものとして政令で定めるものに贈与をした場合には、当該贈与をした財産の価額は、当該相続又は遺贈に係る相続税の課税価格の計算の基礎に算入しない。

 

このうち、「教育若しくは科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与するものとして政令で定めるもの」とは、具体的には次のものをさします。

 

独立行政法人、国立大学法人等、地方独立行政法人(試験研究、病院事業、社会福祉事業等の一定の事業を営むものに限る)、公立大学法人、自動車安全運転センター、日本司法支援センター、日本私立学校振興・共済事業団、日本赤十字社、公益社団法人、公益財団法人、一定の学校法人、社会福祉法人、更生保護法人、認定NPO法人

 

ここで注意が必要なのは、相続又は遺贈によって財産を取得した者が、その取得した財産を申告期限までに上記法人等に贈与した場合に特例の適用を受けることができるということです。

 

相続した財産を換価して、そのお金を寄付しても特例の適用は受けられないので注意が必要です。

 

したがって租税特別措置法70条の非課税規定の適用を受けようとする場合は、予め寄附をしようと考えている先に、寄附をしようと考えている財産の受けとりが可能であるのかを確認しておく必要があります。

 

お寺や神社等の宗教法人に寄付をする場合の注意点

 

宗教法人に寄付をする場合、被相続人が遺言に当該宗教法人への寄付を記載しておけば相続税法12条の適用を受けることができます。

 

一方、遺言がない又は遺言に寄付の記載がない場合で、相続人が相続財産を宗教法人に寄付しても租税特別措置法70条の適用対象には宗教法人は含まれていないため相続税非課税の適用を受けることはできません。

 

その他の相続に関する記事は

👉遺言・相続・遺産分割

オールワンへの
お問い合わせ・ご相談予約