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仮処分とは
労働者が勤務先から不当に解雇された場合、解雇の効力を争って訴訟を提起しても、判決が出るまで事案によっては1年以上かかることもあります。
また、解雇などの労働に関するトラブルを、その実情に即して迅速に解決する労働審判手続においては、原則として3回以内の期日で倫理を終結するため、一般的な訴訟より迅速な解決は図れます。
しかし、解雇により給料を受け取ることができない労働者の中には、労働審判の結論が出るまで待てない人もいます。
仮処分とは、仮差押えと並ぶ民事保全手続の一種です。
さらに仮処分には2種類あり、
係争物に関する金銭以外の請求権に基づく強制執行を保全するための「係争物に関する仮処分」、
争いがある権利関係について債権者(労働者のことです)に生じる著しい損害又は急迫の危険を避けるために裁判の確定まで仮の状態を定める「仮の地位を定める仮処分」
があります。
解雇の場合における金員仮払仮処分とは、解雇の有効性が判断される裁判が確定するまで、とりあえず解雇の有効性を争っている勤め先に対して、労働者の当面の生活費の仮払いを求めるものです。
金員仮払仮処分が認められるためには
被保全債権の疎明
被保全債権とは、仮処分によって守ろうとする債権のことです。
具体的には賃金債権が被保全債権にあたります。
疎明とは、裁判官が一応確からしいとの心証を得た状態、又は裁判官にそうした心証を抱かせるために証拠等を提出する行為のことです。
仮に、仮処分が認められた場合、労働者が受取る仮払金は生活費に費消されます。
また、当面の生活費の困窮を理由とする申立のため、仮処分申立にあたっては担保を立てずに発令されることが一般的です。
こうした仮処分が事後の取消された場合、債務者(勤め先)に生じた損害はほとんど回復されません。
したがって、賃金債権の金員仮払仮処分では、相当程度確実な疎明が要求されます。
具体的には、解雇が無効であることの相当程度確実な疎明が必要となります。
保全の必要性
保全の必要性とは、債権者が仮払金を受取れないと生活に困窮するといった事情のことです。
債権者が親族等から援助を受けることができる場合は、保全の必要性について慎重に判断されます。
費用
裁判所に納付する申立手数料は2,000円です。
弁護士費用については、法律事務所により異なります。
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