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連帯債務
改正前
連帯債務成立の要件
複数の債務者がどのような場合に連帯債務を負うのか、要件が規定されていませんでした。
履行の請求
連帯債務者の1人に対する履行の請求は絶対的効力が生じました。
改正前民法434条
連帯債務者の1人に対する履行の請求は、他の連帯債務者に対しても、その効力を生ずる。
免除
連帯債務者の1人に対する免除は、免除した連帯債務者の負担部分において絶対的効力が生じました。
改正前民法437条
連帯債務者の1人に対してした免除は、その連帯債務者の負担部分についてのみ、他の連帯債務者の利益のためにも、その効力を生ずる。
時効の完成
時効が完成した連帯債務者の負担部分について絶対的効力が生じました。
改正前民法439条
連帯債務者の1人のために時効が完成したときは、その連帯債務者の負担部分については、他の連帯債務者も、その義務を免れる。
他の連帯債務者が債権者に対して有する債権による相殺
他の連帯債務者の負担部分について援用ができました。
改正前民法436条
1項
連帯債務者の1人が債権者に対して債権を有する場合において、その連帯債務者が総裁を援用した時は、債権は、すべての連帯債務者の利益のために消滅する。
2項
前項の債権を有する連帯債務者が相殺を援用しない間は、その連帯債務者の負担部分についてのみ他の連帯債務者が相殺を援用することができる。
改正後
連帯債務成立の要件
法令の規定又は当事者の合意により連帯債務が成立することが明記されました。
改正民法436条(連帯債務者に対する履行の請求)
債務の目的がその性質上過分である場合において、法令の規定又は当事者の意思表示によって数人が連帯して債務を負担するときは、債権者は、その連帯債務者の1人に対し、又は同時に若しくは順次に全ての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行の請求をすることができる。
履行の請求・免除・時効の完成
いずれも相対的効力に変更されました。
改正民法で絶対的効力が生じるのは、更改、相殺、混同に限られることになりました。
改正民法441条(相対的効力の原則)
第438条(更改)、第439条第1項(相殺)及び前条(混同)に規定する場合を除き、連帯債務者の一人について生じた事由は、他の連帯債務者に対してその効力を生じない。
ただし、債権者及び他の連帯債務者の1人が別段の意思表示をしたときは、当該他の連帯債務者に対する効力は、その意思に従う。
他の連帯債務者が債権者に対して有する債権による相殺
援用はできず、他の連帯債務者の負担部分の限度において履行が拒めるだけになりました。
改正民法439条(連帯債務者の1人による相殺等)
1項
連帯債務者の1人が債権者に対して債権を有する場合において、その連帯債務者が相殺を援用したときは、債権はその全ての連帯債務者の利益のために消滅する。
2項
前項の債権を有する連帯債務者が相殺を援用しない間は、その連帯債務者の負担部分の限度において、他の連帯債務者は、債権者に対して債務の履行を拒むことができる。
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