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登記記録上の地積と実際の地積

 

今回は、土地の相続や売買で問題となる土地の面積(地積)のはなしです。

 

地積とは、一筆の土地の面積であって、水平投影面積により平方メートルを単位として定められ、不動産登記では1平方メートルの100分の1未満の端数は切捨てることになっています。

 

もっとも、実際には登記記録上の地積と、実際の地積のが異なっていることがあります。

 

登記記録の地積より実際の地積が多い場合を「縄延び」、小さい場合を「縄縮み」といったりします。

 

縄延びと縄縮み

 

縄延び

 

「縄延び」が生じるのは、明治時代の租税徴収方法にその原因があるといわれています。

 

明治時代、租税額はその所有する土地の面積の大小によってきめられていました。

 

そこで、少しでも税金を安くしたい地主が、実際よりも少ない地積を申告し、この申告に基づいて現在の登記簿の元になった土地台帳が作成されたため「縄延び」が生じたといわれています。

 

縄縮み

 

縄縮みが生じる原因として小作料が関係することがあります。

 

土地の面積に応じて小作料を徴収していた地主が、多少税金を余分に払っても小作料をより多く徴収したいと考え、実際の土地の面積よりも大きく申告することがありました。

 

そのほかにも、隣地の所有者が自分の所有地を広げようとして、境界標を勝手に移動した場合などにも縄延び、縄縮みが生じたりします。

 

因みに、境界標を勝手に壊したり移動したりすると境界損壊の罪に問われます。

その法定刑は5年以下の懲役又は50万円以下の罰金です(刑法262条の2)。

 

したがって、登記簿に記載された地積は、必ずしも実際の地積と一致しません。

 

そこで、土地の売買等で、実際の地積を不問として登記簿記載の地積による場合は、「現状有姿」、「公簿売買」といった文言を契約書等に入れておく必要があります。

 

なお、分筆された土地には原則として縄延びが存在しません。

分筆する場合は実測値を添付して分筆の申請がなされるためです。

 

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