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他の相続人の特別受益の有無を調べるための預金残高の調査

 

今回は相続人の預金残高を調べることができるのか、について考えてみたいと思います。

 

被相続人から一定の援助をその生前に受けていた相続人がいる場合、その援助は特別受益(民法903条)として相続開始時に調整をすることになっています。

 

具体的には、援助を受けていた相続人の相続分から、その生前の援助て相当額を控除することで他の相続人との公平を図るようにします。

 

しかし、援助を受けていた(と思われる)相続人が、援助を否定するとどうなるのでしょうか。

 

被相続人の預金口座の取引履歴については、相続人であれば金融機関に開示を求めることができます。

取引履歴を調べた結果、まとまった出金が確認できたが、被相続人自身が使った形跡はない。

 

一方で、援助を受けたであろう相続人が、その当時家を建て替えたり、車を買ったりしたという事情があれば、被相続人から当該相続人に対する贈与(特別受益)が疑わます。

 

被相続人が贈与資金を直接現金で当該相続人に手渡した可能性がある一方で、被相続人の口座から当該相続人の口座に振込まれた可能性もあります。

 

そこで当該相続人の預金口座の取引履歴が調べられないか、という話になるのです。

 

他の相続人の預金を調べることができるのか

 

もちろん、当該相続人が調査に同意して任意に取引履歴を提出してくれれば話は早い。

 

では、当該相続人がプライバシーを理由に取引履歴の開示に応じない場合、何らかの方法で取引履歴を確認することはできるのでしょうか。

 

結論からいえば、

〇 特別受益の主張に合理性があり

〇 当該相続人の取引履歴を開示する必要性がある

裁判所がこのような判断すれば、相続人の申立てにより裁判所が調査嘱託を実施して取引履歴を入手できる場合があります。

 

ポイントは、どこまで裁判所に、〇特別受益の主張の合理性、〇取引履歴入手の必要性、を説得的に主張できるのか、ということです。

 

もっとも、仮に裁判所が取引履歴に関する調査嘱託の実施を認めた場合も、まだ問題があります。

 

金融機関が開示するのは原則として過去10年分の取引履歴に限定されるため、それより前の取引履歴は開示されないという問題です。

 

したがって、10年以上前に被相続人から特定の相続人に贈与がなされていたといった案件では、特別受益の立証が大変困難となります。

 

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