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相続人に作成を強要された親の遺言書
今回は遺言書作成にまつわる不正の話です。
相続開始後、遺言を確認してみると、遺産の大半を同居していた子に相続させると書いてある・・・
弁護士をしていると、こうした遺言を目にすることはよくあります。
同居している子には何かと世話になった。だから遺産の大半を残したい・・・
こうしたケースがある一方、同居していた子が自分に有利な遺言を、無理やり書かしたのではないかと疑われるケースもあります。
遺言を作らないとこれから面倒をみないと脅したり、時には泣きついたりして、あの手この手で自分に有利な遺言の作成を親に頼み込む。
親にしても同居している子に強く迫られると中々断れない。
そうした結果、相続後に出てくるのが同居の子に有利な遺言ですが、当然納得できないのがほかの相続人です。
同居してた子が親の面倒を見ていたのであればとも角、中には遺言を作成させたら用済みとでも言わんばかりに親を施設に入れてしまうケースもあります。
これではほかの相続人は納得できないでしょう。
親が公正証書の遺言を作成していると大丈夫か
親が子どもたち皆が納得できる公正証書遺言を作成していても安心できません。
一旦公正証書遺言を作成しても、その後に作成した自筆証書遺言がある場合、内容の抵触する部分は後の自筆証書遺言が優先することになっています。
(民法1023条)
したがって、一旦親が公正証書遺言を作成しても、その後に同居している子に有利な内容の自筆証書遺言を作成されてしまうこともあるのです。
もちろん、親が自筆証書遺言を作成した当時、判断能力が低下していたようなケースでは、自筆証書遺言は無効であるとの主張も考えられますが、遺言作成時の作成者の判断能力を後になって調べることは大変です。
したがって、悪意のある推定相続人がいると、親が一旦公正証書で遺言を作成しても安心できないのです。
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