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破産者の義務・資格制限

今回は破産手続きに関するブログである。

正確に数えたことはないが、これまでかなりの回数、裁判所から破産管財人に任命していただいた。

これは裁判所から破産管財人として適正に職務が遂行できると信頼を頂いている証だと考えているので、密かに誇りに思っている。

破産申立代理人となると、これまで何回ご依頼を頂いたのか分からないほどである。

 

さて、破産の申し立ての相談を受ける中でよくいただく質問に、破産するとどんな不利益があるのか、というものがある。

当然ながら破産者の財産中、当面の生活に必要な財産(自由財産という)以外は、原則として債権者に平等に分配(配当)する必要があるので、手元に残る財産は原則として自由財産となる。

その他にも破産者には様々な義務が課されることになる。

 

第1に、破産者は、財産状態を明らかにするため、破産管財人若しくは破産者委員会又は債権者集会の請求によって、破産に関して必要な説明をすることが義務付けられている(説明義務 破産法40条1項1号)。

 

第2に、破産者は、破産手続開始後遅滞なく、その所有する不動産、現金、有価証券、預貯金その他裁判所が指定する財産の内容を記載した書面を裁判所に提出する必要がある(重要財産開示義務 破産法41条)。

この義務に違反することは破産犯罪となり(破産法269条)、免責不許可事由にも該当する(破産法252条1項11号)。

 

第3に、破産者は、裁判所の許可を得ることなく居住地を離れることができない(居住制限 破産法37条1項)。

これは破産者に説明義務を尽くさせるために認めらたものである。

 

第4に、裁判所は、破産者が説明を尽くさなかったり、財団の占有管理を妨害したりする場合など、必要と認めるときは、引致状を発して、破産者の引致を命じることができる(破産法38条)。

 

第5に、破産管財人が破産者の財産状態や取引関係を把握するために必要があると認めるときは、裁判所は、破産者あての郵便物等を破産管財人に配達するよう信書送達事業者に嘱託することができる(破産法81条1項)。

 

こうした義務は、破産者の財産状態や破産に至った事情を明らかにするために破産者に課された義務といえる。

 

その他、破産法以外の各種法令によって破産者の資格が制限されることがある。

まず、弁護士、税理士、公認会計士等は破産は欠格事由とされている。

警備業法では破産者は警備業を営んではならないと規定されている(警備業法3条1項)。

その他、破産による資格制限があるものとしては、貸金業者、質屋、生命保険募集人、旅行業者などがある。

 

なお、会社の取締役については破産が欠格事由とならないが、取締役就任中に破産すると一旦取締役を退任することになる(会社法330条・民法653条)。

その後に株主総会で改めて取締役に選任されれば取締役としての業務を遂行できる。

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