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子が相続人である場合の相続分
現行民法の遺産分割において子が相続人の場合、その相続分は均分であることが原則です。
民法900条4項
「子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする」
それ以前、明治31年7月16日から昭和22年5月2日まで施行されていた旧民法では、被相続人の戸主が亡くなると家督相続人(長男がいればふつうは長男)が全ての財産を相続することになっていました。
昭和22年、法の下の平等を謳う新憲法が制定され、民法もこれに合わせて改正され、均分相続を採用した新民法が翌23年1月1日に施行されました。
平等な相続とは
しかし、何をもって「均分=平等」相続とするのかは難しい問題だと思います。
例えば、被相続人が田舎に先祖伝来の土地を残したまま大阪や東京に出てきて、東京でも不動産を購入していたケース。
相続人が複数いても長男が「祭祀の主催者」に指定されると、長男は誰も欲しがらない田舎の不動産を相続して(押し付けられ)、他の兄弟が大阪や東京の不動産を相続することになったりします。
さらに特別受益の問題。
被相続人の父が生前、長男にばかり援助をして、長女にはほとんど援助をしてこなかったケース。
こうした場合、法律上は長男が父から受けた援助は「特別受益」として扱われ、相続時の長男の相続分からこれを控除して長女との相続分を調整することになります。
(民法903条)
しかし、長男が特別受益の存在を争うと、長女が、長男が父から援助を受けていたことを主張、立証することが原則として必要となります。
先々の親の相続を考えて親から他の兄弟に対する援助の証拠を残している人は稀です。
証拠がなければ長男が受けた生前贈与は、結果として貰い得になってしまいます。
兄弟の一人が親の面倒を看ていた時に問題となる寄与分(民法904条の2)も実際の遺産分割でトラブルの原因となることが少なくありません。
このように、何をもって「均分=平等」な遺産分割となるのかは各相続人立場や考え方で大きく異なります。
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