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税務調査は事前通知がなされることが原則ですが、事前通知をすると税務調査の目的が達成できない場合、事前通知を行わないで調査が実施されることがあります。

事前通知を行わない調査の類型には次のようなものがあります。

  1. 事前通知をすることにより、納税義務者において、法第128条第2号又は同条第3号(※)に掲げる行為を行うことを助長することが合理的に推認される場合。
  2. 事前通知をすることにより、納税義務者において、調査の実施を困難にすることを意図し逃亡することが合理的に推認される場合。
  3. 事前通知をすることにより、納税義務者において、調査に必要な帳簿書類その他の物件を破棄し、移動し、隠匿し、改ざんし、変造し、又は偽造することが合理的に推認される場合。
  4. 事前通知をすることにより、納税義務者において、過去の違法又は不当な行為の発見を困難にする目的で、質問検査等を行う時点において適正な記帳又は書類の適正な記載と保存を行っている状態を作出することが合理的に推認される場合。
  5. 事前通知をすることにより、納税義務者において、その使用人その他の従業者若しくは取引先又はその他の第三者に対し、上記1から4までに掲げる行為を行うよう、又は調査への協力を控えるよう要請する(強要し、買収し又は共謀することを含む。)ことが合理的に推認される場合。※

国税通則法128条

次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
1 第23条第3項(更正の請求)に規定する更正請求書に偽りの記載をして税務署長に提出した者

2 第74条の2、第74条の3(第2項を除く。)若しくは第74条の4から第74条の6まで(当該職員の質問検査権)の規定による当該職員の質問に対して答弁せず、若しくは偽りの答弁をし、又はこれらの規定による検査、採取、移動の禁止若しくは封かんの実施を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

3 第74条の2から第74条の6までの規定による物件の提示又は提出の要求に対し、正当な理由がなくこれに応じず、又は偽りの記載若しくは記録をした帳簿書類その他の物件(その写しを含む。)を提示し、若しくは提出した者

 

上記事例への該当性判断については、税務職員の主観的判断ではなく、事前通知を行わなかったことの適法性が適切に判断されたといい得るよう、その情報について課税庁としての知見、判断能力をもって客観的に評価した場合に、それらの事情があると合理的に推認できるかどうかを客観的に判断すべきであるといわれています。

 

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