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停止条件付遺言
遺言する時点では遺言者の所有に属しない財産であっても、遺言の対象に含めることは可能です。
例えば、自分の親から将来相続する予定の財産を、遺言で自分の子に相続させるといった場合です。
こうした遺言は、一種の停止条件※付遺言となります。
※条件の一種で、法律行為の効果の発生が将来発生するか否か分からない不確実な事実にかかっている場合。
例)東京大学に合格すれば車を買ってあげる。
したがって、遺言作成から遺言の効力が生じるまでの間に、遺言者が、遺言の目的とした財産を取得していれば、条件成就により当該財産を遺言で相続人等に相続させることができます。
財産を取得できなかった場合
停止条件付遺言を作成したが、将来取得する予定の財産が取得できない場合については、民法996条本文で、
「遺贈は、その目的である権利が遺言者の死亡の時において相続財産に属しなかったときは、その効力を生じない。」
と規定されています。
したがって、遺言中、停止条件が付けられた条項に関しては遺言の効力は生じません。
ただし、同条は但書で、「ただし、その権利が相続財産に属するかどうかにかかわらず、これを遺贈の目的としたものと認められるときは、この限りでない。」と規定しています。
したがって、遺言作成時に所有していないかった財産であっても、それを取得した上で遺贈する意思が明確である場合には、相続人又は遺言執行者は、当該財産を取得して所有権等を移転する義務を負うことになります。
もっとも、こうした義務を相続人又は遺言執行者が負担するのは、遺言者が当該財産を相続までに取得するしないにかかわらず遺贈の目的とする意思が明白な場合に限られるといわれています。
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