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医療法人における旅費交通費等の処理
医療法人において、院長や職員が出張する場合、旅費交通費のほか、宿泊代や飲食代がかかります。
旅費交通費や宿泊代は、領収書等をとっておき、後日、院長や職員が立替えた費用を清算することが多いと思われます。
しかし、飲食代については、それが交際費※としての支出が認められる場合を除き、医療法人の経費とはならないため、清算することもできません。
※持分なし医療法人における交際費の損金不算入
期末の出資額が1億円以下の医療法人
次のいずれかの金額
- 飲食に要する費用の50%に相当する金額を超える部分の金額
- 800万円(事業年度が12ヶ月の場合)を超える部分の金額
期末の出資額が1億円超の医療法人
飲食に要する費用の50%に相当する金額を超える部分の金額
出張旅費規程
出張旅費規定とは、院長や職員が業務として出張する場合の旅費等について定めたものです。
予め出張旅費規程において旅費(交通費、宿泊代等)や日当(食事代等)を定め、医療法人がこれを支給すると、法人は経費として経理処理することができ、支給を受ける院長や職員は給与所得として課税されることもありません。
このように出張旅費規程を作成しておけば、本来経費にならかかった飲食代等についても経費として取り扱うことができます。
出張旅費規程作成のポイント
記載事項として、①適用の対象範囲(役員及び全従業員を対象とする等)、②出張の定義、③旅費・日当の額、を定めます。
③旅費・日当の額については、職制ごとに利用できる交通機関(役員はグリーン車・ビジネスクラスの利用が可能、職員は普通車の利用のみ可能等)、宿泊費の上限(役員は1泊2万円、職員は1泊1万円等)、日当の額(日帰りの場合役員は5千円・職員は3千円、宿泊を伴う場合は役員1万円・職員6千円等)を決めておきます。
また、出張する際には事前に院長に出張願を提出し、院長の許可を得る等の手続についても定めておきます。
このように院長や職員が出張する機会のある医療法人では出張旅費規程を作成しておくと何かと便利です。
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