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相続土地国庫帰属法とは、正しくは「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」のことです。
相続等により土地を取得したが、土地の用途がなく、当該土地を手放したいと考える人が増加しています。
その結果、そもそも土地の相続登記をせずに放置したり、土地を相続しても十分な管理が行われないといた問題が発生しています。
相続土地国庫帰属法
こうしたことを受けて、相続又は遺贈(相続人に対する遺贈に限る)により取得した土地を手放して、国庫に帰属させることを可能とする制度、すなわち相続土地国庫帰属法が創設されることになりました。
ただし、管理コストの国への転嫁や土地の管理をおろそかにするモラルハザードが発生するおそれを考慮して、一定の要件(詳細は政省令で規定)を設定し、法務大臣が要件を審査することになります。
通常の管理又は処分をするに当たり過分の費用又は労力を要する土地に該当しないことが国庫帰属の要件とされています。
具体的には、次のような土地に該当しないことが要件となります。
- 建物や通常の管理又は処分を阻害する工作物等がある土地
- 土壌汚染や埋設物がある土地
- 崖がある土地
- 権利関係に争いがある土地
- 担保権等が設定されている土地
- 通路など他人によって使用される土地 など
その他、審査手数料のほか、土地の性質に応じた標準的な管理費用を考慮して算出した10年分の土地管理費相当額の負担金を徴収する、とされています(地目、面積、周辺環境等の実情に応じて対応すべく、詳細は政令で規定)。
参考として、現状の国有地の標準的な管理費用(10年分)は、粗放的な管理で足りる原野約20万円、市街地の宅地(200㎡)約80万円です。
相続土地国庫帰属法は、2023(令和5)年4月27日に施行されました。
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