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被相続人が残した債務、すなわち相続債務といってもその内容によって取り扱いは異なります。

 

可分債務の承継

 

可分債務とは、分割して給付することができる債務のことで、被相続人の借入金債務が典型例です。

可分債務は、各相続人が、法定相続分に従って相続することになります。

したがって、可分債務について、特定の相続人だけが相続するといった相続人間の遺産分割の合意は、相続人間では有効ですが、相続債権者には対抗できません。

 

連帯債務の承継

 

連帯債務は、それが金銭債務であるときは、連帯債務者の1人が死亡すると、共同相続人の各自がその持分に応じて分割承継し、その承継した範囲内で、残りの連帯債務者とともに連帯債務者となります。

例えば被相続人が300万円の連帯債務者で、相続人が3人いる場合、各相続人は100万円(300万円/3人)の範囲で、他の連帯債務者とともに連帯代務者となります。

 

継続的信用保証債務

 

継続的信用保証債務で、限度額及び期間に定めのないものについては、特段の事情がない限り、保証人の死後に生じた債務について、相続人は保証債務を負担しません。

(最判昭和37年11月9日民集16巻11号2270頁)

 

一方で、限度額や期間に定めのあるものについては相続すると考えられています。

なお、債権法改正により、極度額の定めのない個人根保証契約は無効とされます。

(民法465条の2第2項)

 

身元保証債務

 

被相続人が身元保証人になっていたときの身元保証債務については相続性が否定されています。

なお、相続時に具体的に発生していた債務については相続されることになります。

 

その他の相続に関する解説は

👉遺言・相続・遺産分割

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