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被相続人の準拠法

 

日本人が日本で亡くなれば、相続に関する準拠法は日本の民法等になります。

では、アメリカ国籍の人や中国国籍の人が日本で亡くなった場合、準拠法はどうなるのでしょうか。

 

この問題については、通則法(法の適用に関する通則法)36条が「相続は、被相続人の本国法による」と定めています。

通則法とは、法律の施行期日、法律と慣習との関係、準拠法の決定・適用などを規定する法律です。

したがって、アメリカ国籍の人はアメリカの法律が、中国国籍の人は中国の法律が準拠法となります。

 

被相続人が2以上の国籍を有する場合については、通則法38条1項が

「当事者が二以上の国籍を有する場合には、その国籍を有する国のうちに当事者が常居所を有する国があるときはその国の法を、その国籍を有する国のうちに当事者が常居所を有する国がないときは当事者に最も密接な関係がある国の法を当事者の本国法とする。」

と規定しています。

 

アメリカの相続法

 

アメリカの場合、連邦法上、適用される法律を定める準国際私法は存在しないというのが通説・裁判例です。

したがって、アメリカでは連邦法ではなく、当事者が最も密接に関係する州法が当事者の本国法となります。

 

この点について通則法38条3項は、

「当事者が地域により法を異にする国の国籍を有する場合には、その国の規則に従い指定される法(そのような規則がない場合にあっては、当事者に最も密接な関係がある地域の法)を当事者の本国法とする。」

と規定しています。

 

その他の相続に関する解説は

👉https://allone-law-acc.com/inherit

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