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消費税の納税義務
消費税の納税義務は、課税売上高が1000万円を超えた年の翌々年(医療法人の場合は翌々事業年度)から消費税の課税事業者となります。
課税売上高とは、物品の販売等、消費税の課税対象となる事業に付随して行われる取引の売上高のことです。
(なお、医療機関の場合、社会保険診療報酬は消費税の課税対象にあたりません)
したがって、前々年(医療法人の場合は全然事業年度)の課税売上高が1000万円以下の場合、原則として消費税の課税事業者にはなりません。
前々年(年度)の課税売上高が1000万円以下での消費税が課税される場合
前々年(年度)の課税売上高が1000万円以下、または新規開業によって課税売上高時代がない場合も、前年の1月1日から6月30日までの課税売上高(又は給与支払額)が1000万円を超える場合は消費税の課税事業者となります。
判定対象となる給与支払額については、消費税が課税される給与や賞与は含まれますが、消費税が課税されない通勤手当等は含みません。
新設法人と消費税
新設法人の場合、資本金が1000万円以上ならば設立年度から消費税の課税事業者になります。
したがって、資本金1000万円以上の株式会社を新設すると、設立年度から消費税が課税されることになります。
医療法人の場合、設立時には資本金ではなく基金を拠出します。
しかし基金は、消費税の納税義務を判定する際の資本金の額又は出資金の額に該当しないとされています。
理由としては、株式会社の株主と医療法人の基金拠出者の性質の違いがあります。
株式会社の株主は、①剰余金又は利益配当を請求する権利、②残余財産の分配を請求する権利(以上、自益権)、③株主総会にうよる議決権等(共益権)が認められます。
他方、医療法人における基金拠出者は、上記①~③の権利は認められません。
また、持分の定めのない社団医療法人の場合、基金拠出者に基金の返還義務を負うと共に、医療法人が破産手続の開始決定を受けた場合には拠出額は約定劣後債権とされることから、債務と同様の性質を有しています。(2007年の第5次医療法改正以降に設立された医療法人は全て持分の定めのない医療法人となります)
このように基金への供出額は、出資の額に該当しません。
したがって、医療法人の場合、設立1年目は必ず消費税の免税事業者となります。
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