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相続財産の直接保有と間接保有

 

相続財産の直接保有とは、個人が財産を所有することです。

個人が不動産や預貯金等の金融資産を所有する一般的な形態です。

 

一方、間接保有とは個人がその支配する同族法人を介して財産を所有する形態です。

相続対策の観点からは、個人が直接財産を所有するより、同族法人を介して所有した方がメリットが認められることが少なくありません。

 

評価差額の控除

 

個人が保有する資産が値上りすると、その値上り部分にそのまま相続税が課税されます。

一方、同族法人を介して所有する財産が値上がりした場合、その値上り益・含み益に対して37%相当の控除をすることができます。

仮にこの時点で法人を解散をした場合、この評価差額に対して法人税等が課せられます。

そこで、その法人税等相当である37%を評価差額から控除することができるのです。

 

登録免許税・不動産取得税の不課税

 

個人が個人から不動産を取得すると登録免許税、不動産取得税が課税されます。

登録免許税は、売買では固定資産税評価額の1000分の20、相続では1000分の4となります。

不動産取得税は、売買では固定資産税評価額の1000分の40※1となります。※2

※1 2021年3月31日までは土地・住宅につき1000分の30となります。

宅地の場合は課税標準の2分の1となります。

※2 相続では不動産取得税は課税されません。

 

一方で、法人が不動産を保有する場合は移転に伴う登録免許税や不動産取得税といった税負担は生じません。

 

評価額の引下げ

 

相続税の評価において、土地は路線価又は倍率方式、家屋は固定資産税評価で評価されます。

したがって、不動産の評価額を意図的に引き下げることは困難です。

 

他方、法人の持分である株式の評価は意図的、計画的に引き下げることが可能です。

 

まとめ

 

法人を介しての不動産等の間接保有にはこれらのメリットがあります。

一方、法人の設立登記の費用のほか、毎年の決算時の税理士費用等が必要となります。

したがって、対策の実行にあたっては、こうしたメリットとデメリットを比較して実行の可否を検討する必要があります。

 

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