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動産譲渡担保とは

AがBに対する売掛金の支払いを担保するため、Bが有する動産の譲渡を受け、Bが売掛金を支払えばその所有権はBに復帰するが、支払えない場合は動産を処分してその支払いに充てるというものです。

 

動産譲渡担保の利用場面

取引先が事業で使用する工作機械等の動産が換価価値を有する場合は、その動産に譲渡担保権を設定することを検討します。

設定契約書において、対象となる動産の所有権を担保目的で自社に移転させることを明記しておきます。

 

契約書文例

甲(取引先 譲渡担保権設定者)は、乙(自社 譲渡担保権者)に対し、本件債務の担保とするため、本件動産を譲渡し、乙は本日占有改定の方法で本件動産の引き渡しを受けた。

 

動産譲渡担保の対抗要件※1

動産の対抗要件は「引渡し」(民法178条)です。

実務上は「占有改定」(同183条)※2によって行われます。

※1

当事者間の法律関係の効力を第三者に及ぼすために必要な要件

※2

譲渡担保権設定者がすでに占有している動産について、今後は譲渡担保権者のために占有する意思を表示すること

 

占有を移さないため、譲渡担保権設定者はその後も動産を使用することができます。

 

留意点

他の動産と明確に区別できるように譲渡担保設定契約書上で対象動産を明確に特定しておく必要があります。

また、対象動産を第三者が即時取得※することを防ぐため、対象動産にはプレートやステッカーで譲渡担保が設定されていることを明示しておきます。

※民法192条

「取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する」

 

動産譲渡登記制度(集合動産の場合も利用可能)

法人が行う動産譲渡担保では、動産譲渡登記ファイルに譲渡の登記をすることで対抗要件を備えることができます。

(動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律3条第1項)

動産譲渡登記を取扱う登記所は、東京法務局民事行政部動産登録課となります。

登録免許税は、1件につき7500円です。

(租税特別措置法84条の4で軽減された額)

 

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