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自己破産と個人再生

 

債務者が債務を整理する方法として代表的なものに自己破産と個人再生があります。

自己破産とは、原則として債務者の財産を債権者に平等に分配する手続のことです。

債務者は自由財産として手元に残されることが許されたもの以外、原則として全ての財産を債権者への弁済に充てなければなりません。

したがって債務者が自宅を所有している場合、自宅も原則として換価され債権者への弁済に充てられます。

 

一方、個人再生手続では、住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を活用することで自宅を手放さずに済むことがあります。

具体的には、民事再生法196条3号が定める住宅資金貸付債権について、再生計画に弁済期限の繰延等を内容とする住宅資金特別条項を定めた場合、再生計画の効力は住宅やその敷地に設定されている抵当権に及びます。

その結果、再生債務者が再生計画に基づく弁済を継続している限り、住宅等に設定されている抵当権の実行が回避できるというものです。

 

個人再生の要件

 

個人再生手続を利用するためには、次の要件を充足する必要があります。

 

再生手続の開始原因があること

将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがある個人債務者であること

無担保債権の総額が5000万円を超えないこと

再生手続開始の申立の際、小規模個人再生を行うことを求める旨の申述があること

 

債務者は、その収入を弁済原資として、再生債権を原則3年(最長で5年)で分割弁済することを内容とする再生計画案を作成し、裁判所の許可を得てこれを履行すれば残債務が免除されます。

 

給与所得者等再生

 

再生計画の認可に再生債権者の消極的同意は不要となる給与所得者等再生手続では、上記小規模個人再生の要件に加えて、

 

給与又はこれに類する定期的な収入を得る見込みがある者であって、かつ、その額の変動の幅が小さいと見込まれること

再生債務者の収入・家族構成等を基礎に、再生債務者の可処分所得を算出し、その2年分以上の額を弁済に充てること

再生手続開始の申立の際、給与所得者等再生を行うことを求める旨の申述があること

 

といった要件が必要となります。

 

債務は整理したいが自宅は手放したくないという方は、一度個人再生の申立を検討されることをお勧めします。

 

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