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決算書・申告書による取引先の調査
一般的に取引先の決算書・申告書が入手できることは稀ですが、取引先との力関係や取引のタイミングによってはこれらの資料が入手できることがあります。
決算書(申告書)が入手できた場合は、これらの資料で取引先のヒト、モノ、カネを確認します。
貸借対照表
貸借対照表で取引先の財務状態が分かります。
後述する損益計算書は取引先の1年間の経済活動が分かりますが、貸借対照表は取引先のこれまでの経済活動の結果が分かります。
右側(貸方) 負債・純資産
→取引先がどのように資金を調達したのか(借入か自己資本か)が分かります。
左側(借方) 資産
→取引先が調達した資金を何に使ったのかが分かります。
損益計算書
取引先の現在の事業が上手くいっているのかが分かります。
不動産
取引先が不動産を所有する場合、(根)抵当権の設定を検討します。
まずは全部事項証明書を取得して先順位の抵当権の有無を確認します。
資産価値の有無に関する調査指標として、公示価格、基準地価、路線価、固定資産税評価があります。
動産
(集合)動産譲渡担保の設定を検討します。
在庫品は換価できない(買い叩かれる)ことが多いので注意が必要です。
価値のある動産は他の動産譲渡担保の対象となっている可能性があります。
債権
売掛金がある場合、集合債権譲渡担保の設定を検討します。
売掛先を確認しておき(仮)差押えに備えます。
預貯金債権は、預入先(金融機関)を確認しておき(仮)差押えに備えます。
但し、当該金融機関から借入があると相殺されるので要注意です。
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