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代理に関する改正
代理に関する改正については、代理行為の瑕疵、代理権の濫用を除いて、判例法理を明文化したもののため、実務に対する影響は少ないと思われます。
代理行為の瑕疵
改正前
改正前民法101条1項(代理行為の瑕疵)
意思表示の瑕疵が意思の不存在、詐欺、強迫又はある事情を知っていたこと若しくは知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は代理人について決するものとする。
主観的な事情について、代理人を基準とすると規定されていましたが、誰の意思表示について規定dされているのかが明確ではありませんでした。
すなわち、代理人から相手方に対する意思表示だけを指すのか、相手方から代理人に対する意思表示が含まれるのか、が不明確でした。
判例では、代理人が相手方に詐欺・強迫をした場合についても、同条項が適用されると判事するものがありました。
(大判明治39年3月31日)
改正後
改正民法101条1項(代理行為の瑕疵)
代理人が相手方に対してした意思表示の効力が意思表示の不存在、錯誤、詐欺、強迫又はある事情を知っていたこと若しくは知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、代理人について決するものとする。
2項
相手方が代理人に対してした意思表示の効力が意思表示を受けた者がある事情を知っていたこと又は知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、代理人について決するものとする。
改正民法101条1項によれば、代理人が相手方に対して行った意思表示の効力に関して、代理人について、詐欺、強迫といった事情の有無を判断するとしています。
同条2項によれば、相手方が代理人に対して行った意思表示の効力については、代理人について判断するとしています。
他方、代理人が相手方に詐欺・脅迫した場合の「相手方の」意思表示の効力については、改正民法101条1項は適用されず、改正民法96条の問題となります。
したがって、上記判例による取扱いが変更されます。
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