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相続放棄をするときの注意点
前回は、相続人間の遺産分割協議で何も相続しないと決めても、家庭裁判所で相続放棄の手続を行わないと債権者に相続放棄を対抗できないという話をご紹介しました。
相続放棄をするについては、その他にも注意することがあります。
形見分け
相続人が、被相続人が遺した貴金属などを生前親しかった被相続人の友人等に形見分けとして贈与することがあります。
この贈与した貴金属等に経済価値があると、相続人は相続放棄ができなくなる可能性があるのです。
民法921条
次に掲げる場合には、相続人は、単純承認したものとみなす。
1号
相続人が、相続財産の全部または一部を処分したとき。(以下略)
形見分けの貴金属等の贈与が「相続財産」の「処分」になれば、単純承認が擬制される(=相続放棄ができない)ことになります。
遺品の整理
この他にも被相続人が賃貸アパートやマンションで亡くなった時も注意が必要です。
こうした場合には大家から早く部屋を明け渡すように要求された相続人が、被相続人の家財道具等を急いで「処分」することがあります。
やはり、処分した家財道具の中に一定の経済価値があるものが含まれている場合は相続放棄ができなくなる可能性があります。
そもそも、相続放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなされます(民法939条)。
したがって、相続放棄をすれば、保証等をしていた場合を除いて、被相続人が借りていた部屋の原状回復義務を負うことはありません。
とはいえ、それでは義理が立たないというのであれば、どのような家財道具を処分したのか写真等で記録をしておくことも必要です。
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