解決事例

離婚の相談に来られたA子さんは看護師の資格を有しており、医師である夫Bさんが経営するクリニックで長年働いてきました。

Bさんが経営するクリニックは経営が順調で、Bさん、A子さんともクリニックから多額の報酬を得ていました。

Bさんはお金遣いも荒く、1千万円を超えるような高級外車を2台も有しており、休日にはその高級外車に乗ってよくゴルフに行っているとのことでした。

 

他人も羨むような生活を送っているA子さん。

しかし、Bさんとは結婚当初から価値観や考え方合わず、時にBさんの顔を見るのも嫌になることがあるそうです。

これまでは生活のために自分の感情を押し殺して過ごしてきたA子さんですが、一人息子のCさんが無事に医師の国家試験に合格したのを機にBさんと離婚することに決めたそうです。

 

しかし、A子さんから話を聞く限りでは、Bさんが同意しないと離婚することは難しそうでした。

離婚は、夫婦が同意をすれば離婚届を提出するだけで離婚できる協議離婚がありますが、相手が同意しないと調停や裁判で離婚の可否が争われます。

裁判で離婚が争われた場合、離婚を望む原告が裁判上の離婚原因があることを主張・立証して、裁判所がこれを認めない限り被告の意思に反して離婚することはできません。

 

Bさんは金遣いが荒そうですが、相応の収入もあるためBさんの金遣いを浪費とまで言い切るのは厳しそうです。

また、Bさんが浮気をしたりといった話もありません。

このままでは離婚は難しそうですよ、とAさんに話そうとした矢先、ふと思い立ってクリニックについて聞いてみました。

 

するとBさんが院長を務めるクリニックは持分のある医療法人が経営主体であることが判明しました。

医療法人の社員はBさん、A子さん、息子のCさんの3人。

3人がそのまま医療法人の理事となっていました。

院長のBさんは理事長ですが、理事長はBさん、A子さん、Cさんがメンバーの理事会で選任されます。

理事は、これもBさん、A子さん、Cさんがメンバーの社員総会で選任されます。

社員総会における議決権は出資額に関わりなく社員一人について1票.

したがって、理事の選任に関する権限はBさん、A子さん、Cさんでみな平等となります。

 

A子さんにCさんについて尋ねると、Cさんは高校時代に医学部とは別の学部への進学を希望していましたが、Bさんの強い説得で医学部に進学することになったそうです。

それ以後Cさんは父Bさんを避けるようになり、将来クリニックは継がないと断言しているようです。

仮にA子さんとBさんが離婚を巡って対立した場合、A子さんがCさんがのその気になればBさんを理事長の職から解任することができます。

 

A子さんの離婚とBさんの理事長解任は別問題ですが、交渉材料の一つにはなりえます。

そこで、まずはA子さんはBさんの話合いで離婚を目指すことにしました。

A子さんが離婚の話を切り出すとBさんにとっては正に青天の霹靂、ずいぶんと驚いたそうです。

 

しかし、しばらく経つとBさんはA子さんとの離婚に同意してくれました。

調停や裁判を覚悟していたA子さんや私たちにとっては予想外の展開でした。

A子さんの話によると、A子さんがCさんと議決権を行使してBさんを理事から解任する話や、A子さんが医療法人を退社して出資持分の払戻請求をする話をしたところ、Bさんは離婚に合意したということです。

 

その後はBさんも弁護士に委任して、A子さんに対する財産分与について話し合いが続きました。

A子さんが持っていた医療法人の持分は評価が高額になっていたこともあり、その取扱いを巡ってはなかなか結論を出すことができませんでした。

そこで最後は医療法人を持分のない医療法人に移行することにして、認定医療法人の認定を受けることで合意しました。

 

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