解決事例

(実際の事件の一部を修正してご紹介しています)

 

50歳代のA子さんは、夫のBさんとの離婚について相談に来られました。

Bさんは一流大学を卒業後、上場企業に就職して現在は部下が100人近くいる管理部門の責任者を務めています。

A子さんに拠ると、Bさんは常に自分が一番で、結婚した当初からA子さんを見下して、何かあるとA子さんの人格を否定する発言を繰り返していました。

 

A子さんはもう何年も前からBさんとの離婚を考えていましたが、二人の息子のうち、下の息子が大学を卒業して就職したので、離婚に向けて一歩を踏み出すことにしました。

A子さんは大学卒業後、国際会議などで通訳の仕事についていましたので、離婚後はまた通訳の仕事をしたいという希望がありました。

 

しかし、A子さんがBさんに離婚を切り出すと、お金を稼ぐことも一人で生きていくこともできないお前が離婚をしてどうするのだ、というようなA子さんの存在価値を否定することを言われたそうです。

離婚の協議に入ると、Bさんも別の弁護士を立て、家庭裁判所の調停で離婚が話し合われることになりました。

 

調停では、Bさんは、離婚するのであればA子さんへの財産分与は0(ゼロ)であると主張しました。

A子さんは、離婚原因はBさんの長年にわたるモラハラであり、慰謝料の支払と、Bさんが数年後に受け取る予定の退職金を含めた財産分与を請求しました。

結局、調停では財産分与等の条件面で両者の隔たりが大きく、調停は不成立となりました。

 

A子さんは改めて離婚訴訟を提起し、離婚を求めるとともに、附帯処分として財産分与を求め、その中でBさんの退職金を考慮するよう主張しました。

 

訴訟では原告(A子さん)被告(Bさん)双方から自らの主張を記載した準備書面が提出され、併せて自らの主張を裏付ける証拠が提出されました。

訴訟が始まって半年が過ぎたころ、裁判所から和解に応じるつもりがあるかの打診がありました。

A子さんの代理人としては、裁判官に直接A子さんの話を聞いてもらいたいと考えたので尋問を先行するように要請しました。

被告側も特に異論がなかったので、原告被告の本人尋問が行われることになりました。

 

尋問期日までに、こちらからA子さんに行う主尋問、Bさんの代理人がA子さんに行う反対尋問について入念な打ち合わせとリハーサルを行い尋問に臨みました。

リハーサルのせいでA子さんは落ち着いて本人尋問に臨みました。

他方、Bさんの反対尋問において、モラル発言の有無や内容について繰り返し尋ねると、Bさんは興奮してA子さんを侮辱する発言をして、裁判官から注意を受ける場面もありました。

 

本人尋問後に和解期日が開かれ裁判所から和解案が示されました。

和解案にはA子さんが求めた慰謝料は含まれていませんでしたが、財産分与は将来Bさんが受取る予定の退職金が反映された内容となっていました。

和解期日にBさんは裁判所に来ていなかったため、双方が一旦持ち帰って検討することになりました。

 

次回期日までの間にBさんの代理人から、裁判所の和解案より財産分与の額を一定程度減額するのであれば和解に応じると連絡がありました。

Bさんの提示した減額部分は財産分与全体からみると大した額ではなかったため、こちらも応じることにしました。

修正した和解案はBさんの代理人が作成することになり、次の期日には原告、被告および双方の代理人が出席し、A子さんとBさんの離婚及び財産分与について和解が成立しました。

 

本件は相談から最終的な解決まで1年半ほどを要した事件でした。

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