解決事例
(実際の事件の一部を修正してご紹介しています)
当事務所のホームページを見たといってA子さんは離婚の相談に来られました。
A子さんは50歳代の専業主婦。同世代で大学教授の夫のBさん、大学生のC君と3人で暮らしています。
1年ほど前、夫の車の中から名前も知らないイタリアンのお店のレシートが見つかりました。
利用人数は2人と書かれていましたが、その時はさほど気にせずA子さんはレシートのことを忘れてしまいました。
ところが、3か月ほど前、Bさんが1泊の出張から戻り、A子さんがBさんの使ったカートの中身を整理していると、内ポケットから2人で宿泊したホテルの領収書が出てきました。
Bさんが出張でホテルを利用するときに同僚と相部屋になるとは考えられないため、A子さんはここにきてBさんの浮気を疑いました。
思い立ったらすぐに行動に移すA子さんは、興信所に依頼してBさんの行動を調べてもらいました。
その結果、別の大学の女性教授の存在が浮かび上がってきたのです。
A子さんは興信所の報告書と写真をBさんに突き付け、事の次第を質しました。
Bさんは当初しらを切りましたが、やがて観念したのか女性教授との関係を話し始めました。
女性教授とは学会で知り合い、互いの大学が近かったので時々食事を一緒に取るようになりました。
Bさんはしかし、女性教授とは食事どまりで肉体関係はないと言い張りました。
A子さんは、以前見つけたホテルの領収書をBさんに見せて、本当にこの日仕事で出張していたのか大学に電話をして確認するといいました。
これ以上隠せないと思ったのか、Bさんは何度か女性教授と宿泊したことを認めました。
Bさんの話では、女性教授は離婚して現在独身とのことでした。
A子さんは早速不動産業者を回ってアパートを借り、Bさんに住所を教えずに別居を始めました。
別居を始めると同時に、スーパーマーケットの仕事を見つけてきて働き始めました。
そして、Bさんとの離婚手続を進めたいと当事務所に依頼されたのです。
さっそくBさんに連絡を取り、当事務所で面談することにしました。
面談当日、Bさんは事務所に入って来るなり、A子さんの居所を教えろと怒鳴るなど、かなり興奮した様子でした。
しばらくするとBさんも落ち着いたのか、自分の非を認め、A子さんに家に帰るよう伝えてほしいと今度は涙を流して懇願を始めました。
とりあえずその日はBさんに帰ってもらい、後日、その様子をA子さんに伝えました。
その上で、Bさんも随分反省しているようなので一度は許したらどうかと話しました。
しかし、A子さんは、Bさんを絶対に許せないということだったので、A子さんの気持ちが落ち着くまでしばらく時間を空けることにしました。
その後もBさんから、A子さんに会わせろ、A子さんの居所を教えろと一週間に一度以上の頻度で当事務所に連絡がありました。
しかし、A子さんはあくまでBさんと会いたくないと言い張るため、当事務所が防波堤となってBさんがA子さんと接触するのを防いでいました。
そして数か月後、弁護士同席でA子さんはBさんと当事務所で会うことになりました。
Bさんは最初の面談と同様に、時には怒鳴って、時には涙を流して離婚を翻意するようA子さんを説得しましたが、2時間にわたる面談の最後までA子さんの決意は変わりませんでした。
その後もBさんから当事務所への連絡が入り続けましたが、A子さんの決意は変わらず、別居して約1年後、Bさんは離婚することに同意しました。
その後、Bさんが依頼した弁護士と財産分与や年金分割をすすめ、二人は協議離婚しました。
その間、A子さんの離婚の決意は一度も揺らぎませんでした。
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