解決事例

(実際の事件の一部を修正してご紹介しています)

 

A子さんが夫のBさんと離婚しようと決意したのは、Bさんの両親が原因でした。

A子さんは小学生のころ両親が離婚して、母親と弟の母子家庭で育ちました。

 

Bさんの両親は、A子さんが母子家庭で育ったことを理由にBさんとの結婚に反対したそうです。

結婚後2年目に長男のC君、3年目に長女のD子さんが生まれました。

 

Bさんの両親、特に母親は、C君やD子さんの服装や食事にまで口を挟み、C君が幼稚園に進むと幼児教室まで探してきてC君を通わせるようにA子さんに指図したそうです。

 

そうした一方で、Bさんの両親は経済的援助は何もせず、両親が進めた着衣や幼児教室の費用は全てBさんとA子さんが負担していました。

 

C君が年長になった時、A子さんはBさんとの離婚を決意してBさんに伝えました。

A子さんは不動産会社で正社員として働いていたので、Bさんと離婚しても何とかC君、D子さんを育てていけると考えたことも離婚を決意した理由の一つでした。

 

しかし、Bさんの両親は早速自宅にやって来て、C君とD子さんは絶対にA子さんに渡さない。Bさんが親権者となって私たちが育てると告げたのです。

 

A子さんもきっぱりC君とD子さんは自分が育てると言いましたが、Bさんの両親はそんなことは絶対に許さないと言ってその日は帰っていきました。

 

Bさんは離婚はすんなり合意してくれましたが、両親が裏で言い含めているのか、親権だけは絶対に譲れないと言ってききませんでした。

 

A子さんは、離婚を伝えた後、同じ市内にある実家にC君とD子さんを連れて帰り、Bさんと別居していましたが、Bさんの両親は実家にまで押しかけてきてC君とD子さんを引渡すようにA子さん母親に執拗に迫ることもありました。

 

結局、親権について話し合いがつかなかったため、調停を申立てることになりました。

調停では当事務所がA子さんの代理人となり、Bさんも別の弁護士を代理人として選任しました。

 

調停では、A子さんが親権者としてふさわしいことを主張書面で明らかにするとともに、家庭裁判所調査官の調査を申立てました。

 

一方、Bさんの代理人は、Bさんの両親による大部の陳述書を提出しましたが、そこにはA子さんが如何に親権者として不適格かということが悪意むき出しの文章で綴られていました。

 

調停の相手方を不当に貶める文章をそのまま提出するBさんの代理人の対応は問題と考えたため、調停委員を通じ、今後同様の書面が提出されれば直ちに調停を不成立とする旨伝えました。

 

調停期日間に、C君の幼稚園にBさんの両親が現れ、C君と一緒に帰ろうとする事件が起こりました。

この時は幼稚園教諭が機転を利かせてA子さんに連絡をしたため、C君は無事でした。

 

A子さんから報告を受け、次回期日に今後、Bさんの両親が同様のことをした場合は、刑事告訴も検討する旨、調停委員を通じてBさんに伝えました。

 

紆余曲折を経た調停ですが、提出された調査官報告書にはA子さんが親権者としてふさわしいといった内容でした。

 

それでもBさんが親権を主張する場合、話合いによる解決は困難なため調停は不成立となります。

A子さんは調停不成立を覚悟していましたが、その次の期日で突然Bさんが、A子さんが親権者になることに同意しました。

 

非常に意外な展開だったため、調停委員にBさんの変心の理由を尋ねたところ、詳しいことは話してくれませんでしたが、Bさんは現在、両親と連絡を取らないようにしているということでした。

 

もしかするとBさん自身、両親に愛想を尽かしたのかもしれません。

本件は配偶者の両親に振り回されましたが、何とか調停離婚が成立しました。

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