解決事例

(実際の事件の一部を修正してご紹介しています)

 

父が亡くなり、長男のAさん、次男のBさん、母親のC子さんが遺産分割協議をすることになりました。

 

Aさんは家族で亡くなった被相続人(父)名義の自宅で両親と同居しており、Bさんは別の所で暮らしていました。

 

主な相続財産は、自宅の土地建物、預貯金、有価証券、被相続人が若いころから収集していた切手のコレクションといったものでした。

 

相続財産を確認するためにBさんが自宅に来て通帳を見てみると、亡くなる数日前に200万円の預金が引き出されていることに気づきました。

 

被相続人は最後は病院で息を引き取りましたが、生前は施設で暮らしていました。

 

Bさんはそうした事実を指摘して、誰が200万円を引き出したのかと質問しました。

Aさんは、病院の医師から、被相続人の状態がいよいよ良くないと聞いて、万一の時の葬儀費用等に充てるため、キャッシュカードで200万円を引き出したのでした。

 

しかし、葬儀や法要に気を取られ、聞かれるまで預金の引出しをすっかり忘れていました。

Aさんがそう説明すると、Bさんは葬儀にかかった費用の領収書を見せてくれと要求しました。

 

疑われているようでいい気分ではありませんでしたが、Aさんは取っていた領収書を見せました。

電卓片手に金額を計算していたBさんは、今度は領収書の金額が引き出した額より50万円ほど足りないと言い出しました。

 

Aさんも確認しましたが、確かに50万円ほど金額が合いません。

C子さんに聞くなどしてお布施を30万円支払ったことは思い出しましたが、まだ20万円合いません。

 

Aさんが20万円は何に使ったのか分からないと説明すると、今度はBさん、遺産は誰かが隠しいるんじゃないかとと言い出したため、後は売り言葉に買い言葉、兄弟喧嘩になりました。

 

その場はC子さんが取りなしましたが、Bさんは隠した財産は必ず探し出してやると捨て台詞を残して自宅を後にしました。

 

それから2か月ほど経ち、家庭裁判所から遺産分割調停の呼び出しがありました。

Bさんが、AさんとC子さんを相手方として調停を申立てたのでした。

 

期日に2人で家庭裁判所に行ってみると、Bさんは、調停委員に、Aさんが財産を隠しているから正直に話すように説得して欲しい、と話したそうです。

 

調停委員が遺産の範囲に争いがある場合、調停ではなく民事訴訟で解決するようにBさんに話したそうですが、まずはAさんを説得して欲しいの一点張りでした。

 

このままだと調停不成立なると説明受けたそうですが、何時までも遺産分割ができないのも困ります。

AさんとC子さんは、もう1度だけ調停を開いてほしいと調停委員に話した上で、相談に来られました。

 

2人から事情を聴いて、弁護士からBさんに連絡を取りました。

調停の期日間でも連絡を取り合うことは何ら問題なく、期日間に話合いができれば早期の解決につながります。

 

Bさんは、本当に他に財産が無いなら、無いことの証明をしてくれと言い出しましたが、無いことの証明などできるものではありません。

 

しかし話を聞いていると、何時までも被相続人の預金が引出せないためBさんも困っていました。

そこでBさんに対して、とりあえず分かっている財産で遺産分割を行う、但し、他の財産が見つかり次第改めて分割協議を行うことにしてはどうかと提案しました。

 

そして迎えた調停期日、Bさんは、相手方の提案を受け入れるが、相続財産の調査が必要となった際は協力することも約束して欲しいと要求してきました。

 

Aさん、C子さんと協議した結果、できる範囲内での協力と留保を付けた上でBさんの要求を受け入れることにしました。

 

これで話合いは一気に進みだし、4回の期日で調停は成立しました。

自宅はと預貯金の大半はC子さんが相続し、AさんとBさんは有価証券を相続することになりました。

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