解決事例
(実際の事件の一部を修正してご紹介しています)
離婚の相談に来られたのはA子さん。
夫のBさんとは1年前に知り合い、半年前に結婚しました。
A子さんによると、Bさんと一緒に暮らし始めると毎日ささいなことで喧嘩が絶えない、ということでした。
Bさんは、A子さんが作る料理が気に入らないと食事を途中で止めてコンビニで弁当などを買ってきて家で食べたり、黙って外食に行ったりするそうです。
A子さんの家の片付けも気に入らないらしく、A子さんが掃除機を使った後、あてつけのようにBさんが同じ場所をさっそく掃除機で掃除することもあるということでした。
一方、Bさんは、A子さんに対して暴力をふるったり、暴言を吐いたりすることはありませんでした。
それでもA子さんは、今となってはBさんの顔を見るのも嫌、生理的に受け入れられない、ということでした。
A子さんの話を聞く限り、Bさんの行動には若干配慮に欠ける部分がありますが、離婚原因に該当するようなものではありませんでした。
そこでA子さんには、今のままではBさんが同意しない限り離婚はできないと思うと説明しました。
しかし、A子さんは、Bさんと離婚したいの一点張りで、Bさんとこれ以上一緒に暮らすのは嫌だという話を繰り返すばかりでした。
こうして最初の相談は終わりましたが、しばらくしてA子さんから再び相談の申込みがありました。
早速会って話を聞いてみると、前回の相談の後、A子さんはBさんの留守中に自分の荷物を運び出し、現在は大阪にある実家で暮らしているということでした。
Bさんに離婚切り出すと、別れる理由がないとして、離婚には応じないと言ったそうです。
A子さんは、これ以上Bさんとやり取りするのが嫌なので、協議離婚の交渉を当事務所に依頼したいということでした。
A子さんには、法律上の離婚原因がないと裁判をしても離婚できないことを説明し、依頼を受けてもBさんと協議するだけで、離婚の合意は保証できないことを念入りに説明しました。
それでも協議してほしいということで、当事務所はA子さんの代理にとして、離婚についてBさんと交渉することになりました。
Bさんには早速連絡を入れ、当事務所がA子さんの代理人となったことを説明し、A子さんの離婚の意思が固いことを伝えました。
Bさんの主張は、離婚する理由がないから離婚には応じられない、というものでした。
Bさんの対応は予想の範囲内でしたが、いずれにせよBさんとの交渉は長期戦になると覚悟しました。
その後は、A子さんと連絡を取り合いながら、月に2度ほどBさんと電話で交渉を続けました。
交渉を始めたころ、BさんはよくA子さんの近況を知りたがりました。
しかし、半年を過ぎることから、BさんからA子さんの近況について知りたいといった話は出なくなりました。
しだいにBさんは弁護士からの連絡を疎むようになり、電話での対応もそっけないものに変わっていきました。
ところが、交渉を開始してから1年ほどたったある日、突然Bさんから電話がかかってきました。
Bさんの話は、これ以上A子さんのことを引きずるのは嫌なので離婚に応じる。
ただし、自分の方から離婚を切り出すのが筋なので、離婚届を自分から当事務所に送付する、ということでした。
Bさんにどのような心境や状況の変化があったのか分かりませんが、急転直下の展開でした。
さっそくA子さんにBさんからの連絡を伝えると、電話口で随分と喜んでいる様子でした。
それから数日後、約束通り必要事項が記載された離婚届がBさんから当事務所に送付されてきました。
もっとも証人欄はブランクのままでした。
さっそくA子さんと相談し、A子さんのご両親を証人とすることにして、Bさんの了解を得ました。
こして離婚届の提出も無事に終わり、最初の相談から約1年で協議離婚が成立しました。
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