解決事例

(実際の事件の一部を修正してご紹介しています)

 

Aさんが亡くなりました。

相続人は妻のB子さん、長女のC子さん、そして弟のDさんの3人でした。

 

B子さんは高齢で認知症がすすんでおり、高齢者施設に入所して生活していました。

C子さんはB子さんの成年後見人として、お母さんであるB子さんの財産管理を行っていました。

 

亡くなったAさんは遺言を残していなかったため、相続人間の協議により遺産分割を行うことになりました。

 

しかし、B子さんは認知症のためご本人が遺産分割協議に参加することは困難です。

一方で、遺産分割では相続人間の利害が対立するため、成年後見人であるC子さんが、成年被後見人B子さんに代わって遺産分割協議を行うことはできません。

 

こうした場合、成年被後見人の利益を確保するため、特別代理人の選任を家庭裁判所に請求する必要があります(民法860条・826条1項)。

 

そこでC子さんからの依頼を受けて、当事務所で特別代理人の選任申立を行うことになりました。

特別代理人の選任申立には、申立書のほか、遺産分割協議書案、遺産の評価額が分かる書面を添付する必要があります。

 

そこで、不動産については固定資産税評価証明書を、預貯金については相続時の残高証明書を取得しました。

 

遺産分割協議書案については、C子さん、Dさんと相談して、自宅は現在そこで暮らしているC子さんが相続することにして、B子さん、Dさんはもっぱら現預金を相続することにしました。

 

その上で、B子さんの弟、すなわちC子さん、Dさんの叔父にあたるEさんを特別代理人の候補者として申立てることにしました。

 

Eさんは遺産分割に利害関係が小さく(仮にB子さんが亡くなってもC子さん、Dさんがいるので、EさんがB子さんの相続にになる可能性はかなり低い)、すんなりと特別代理人に選任されました。

 

遺産分割協議書案についても、B子さんが相続する財産のほぼすべてを預貯金としていたため、家庭裁判所から修正等の連絡はありませんでした。

 

このようにしてEさんがB子さんの特別代理人となって遺産分割協議に参加し、無事に遺産分割を終えることができました。

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