解決事例
(実際の事件の一部を修正してご紹介しています)
むかし関係のあった女性との間の子を認知したといって相談に来られたのはAさんでした。
Aさんには妻と3人の子がいます。
一方、以前関係のあった女性との間に、現在成人となった子Bさんがいるということでした。
Aさんは、遺言でBさんを認知できることを知り、取引のあった信託銀行の担当者に遺言作成の相談をしたそうですが、認知を内容とする遺言は作成できないと断られたということでした。
Aさんから事情を聴いてみると、BさんはAさんが父であることを知っているが、妻や3人の子はBさんの存在は知らないということでした。
Aさんが亡くなった後、遺言でBさんを認知することを妻や子が知れば、確かに一波乱ありそうです。
信託銀行はそうした事態に巻き込まれることを慮って遺言作成を断ったのでしょう。
一方、法律事務所には、数は決して多くありませんが、遺言で認知したいという相談が寄せられることがあります。
そこで、本件についても、当事務所で遺言作成及び遺言執行を引き受けることにしました。
さっそく、Aさんから聞いた情報を基にBさんの戸籍の収集作業に着手しました。
一方で、成年の子を認知するには本人の承諾が必要となるため、Aさんと相談してBさんと面談することになりました。
当事務所でBさんと面談を行った結果、Bさんは認知を承諾するつもりであるとのことでした。
Bさんの戸籍が収集できたので、早速遺言の案文を作成することになりました。
遺言による認知では、遺言にBさんの本籍・氏名・生年月日を記載し、「遺言者と〇〇(相手の女性の名前)との子であるから認知する」と記載するのが一般的です。
本件遺言でも、そうした文言を記載するとともに、当事務所が遺言執行者になることも記載しました。
遺言による認知の場合、遺言者の死後、遺言執行者が遺言の謄本を添えて市区町村役場に認知の届出をする必要があるためです。
こうして遺言の案文を作成し、公証人と打ち合わせを行い、当事務所の弁護士と事務員が証人として立ち会った上でAさんの遺言公正証書が作成されました。
遺言作成後、Aさんには、奥さんや子さんたちがAさんの相続で突然認知の件を知ると大変驚くことが予想されるので、折を見て認知の話をしておいて下さいとお話をさせてもらいました。
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